家族会議
寝て体力も気力も回復した私は現在、にいにとお婆様との御茶会を楽しんでいた。
「···そういえば、アイリーは行く所無いんだよな?」
「····はっ!しょうだった···にいに、どうしようぅ····。」
にいにに言われて初めて気づきました。
そうじゃん!私、迷子だしどこの家の子供か、分からん···。
「行くあてが無いなら私の屋敷に泊まっていかないかい?部屋ならいくらでもあるし。カイも泊まっていかないかい?カイの家は遠いし、雨も降ってきたようだから。」
「で、でもおばぁしゃまにめーわく····。」
「そんな事は気にしなくて良いよ。むしろ、一人で暮らしていたから孫ができたようで嬉しいよ。」
良いんですか!?お婆様、一生付いて行きます!!
「ありがとうございます、ヘレンさん。ほら、アイリーもお礼。」
「ありあとーござーましゅ!」
ちゃんと言えないのは許してください。
そのかわりにサービスします!
笑顔で抱きついてお礼を言う。
見た目はこどもでもやはり中身は大人。
大丈夫かなー、ちゃんと子供らしく可愛く出来たかなー?
と不安に思いながら顔をあげると····。
「アイリーンもちゃんとお礼が言えたねぇ。偉い偉い。」
物凄くキラキラした笑顔で反撃されました。
さらに頭撫で撫での追撃も!
何だろう、この敗北感····。
私が撃沈している間にも話は進み····。
「それじゃあ、部屋は···私の書斎の隣がいいかねぇ?食堂も近いし、私の部屋からも近いしねぇ。」
「じゃあ、俺も同じ部屋に。たしか、ソファがありましたよね?俺はそこで寝ます。」
何ですと!?にいにをソファで寝かせる訳には行かない!!
「にいに、痛いの!にいにがベットで寝ゆの!」
「···?···あぁ、カイがソファで寝ると朝起きた時に痛いから、自分がソファで寝る、っていうことかい?」
おお、お婆様、よくぞ私の言葉足らずの文章で理解してくれました!
「そうだ」という意味を込めて大きく頷く。
するとお婆様は少し考えてから顔を上げて
「じゃあ、こうしよう。明日大工を呼んで子供用のベットを作ってもらおう。今日の夜は二人で話し合って決めなさい。それから明日、日用品や服を買いに町までいこうね。これからここで暮らすかもしれないしねぇ。」
お婆様····!!
何か逆に良い人過ぎて不安になってくるよ。
「ありがとうございます。じゃあ、アイリー。夜何処で寝るか、決めなきゃなぁ?」
「負けにゃいもん!!」
にいにの体の為にも私、負けない!!
~数分後~
·········負けた。
結局、ベットは私でソファはにいにとなった。
言い争いの最中、にいには笑顔で説教、私は涙目で反論、お婆様はずっと笑っていらっしゃった····。
「ふふふ、本当の兄妹みたいだねぇ。ふふふ。」
お婆様、兄妹のようだと言ってくれるのは嬉しいけど、笑わないでください···。
「お互いがお互いを思い合って言い争いになっている···。それは相手の事をよく知らないとできない事だよ。お前達はよっぽど、人を視る目があるようだねぇ。そうでなきゃ、出会って1日も経っていない相手の事なんか分かりゃしないもの。」
なんだか凄く大事なお話が聞けた。
こうして話をしてくれるお婆様こそ、本当の祖母のようで。
「おばぁしゃま、にいに、だぁいすき!!」
何故だか突然、伝えたくなった。
もう会えない本当の家族の分も。
これからもっと、伝えていこう。
自然とそう思った。
「ふふ、ありがとう。本当に孫が出来たみたいで嬉しいよ。そうだ、アイリーン。私もカイのように愛称で呼んでもいいかい?」
もちろんですとも!
「うん、おばぁしゃま!」
にいにもお婆様も、優しく微笑みながら手を差し伸べてくれた。
「明日は街でたくさん買い物しようねぇ、アイリー。」
あぁ、何だかとっても明日が楽しみだ。
あけましておめでとうございます!本年も皆様にとって良い年になりますように····。




