館の主
ちょっと短めです。
この館の主···ヘレンお婆さんは大きな窓から射し込む光に包まれた部屋の中央、立派な机の前に立って私達を笑顔で迎え入れてくれました。
「久しぶり、ヘレンさん。またいつものやつ、キッチンの棚に置いといたぞ~。」
「ああカイ、ありがとう。それにしても今日は可愛らしい子を連れてるねぇ。どうしたのかい?その子。」
いつものやつ···?と私が疑問に思う間もなく、ヘレンお婆さんは私のことをすぐに気にかけてきた。
は!!まさかこれは、『初めてのご挨拶』か!?
これはなんとしてでもやり遂げなくては!!
「あ、あの、えと···アイリーンです。よ、よろしくお願いしまふ····あ」
噛んだー!?!?えええ!!?
嘘でしょこんな大事なとこで!
って二人とも笑ってるし!
ガーン···ショック···。
「あうぅ···」
「ぷっ、くくく···。か、可愛かったぞ···くく。」
にいに、説得力ないよ。笑ってるから。
「ふふふ。ちゃんとご挨拶できて偉いわ。」
お婆様···!
その間もにいには笑っている。
悔しくて、「にいに、嫌いにゃ···」と呟くと。
「ごめん。ごめんったら!ほんとに可愛かったぞ!!」
と言って抱き上げてくる。
それでもそっぽを向いて機嫌を直さない私に、にいには慌てて背中をぽんぽん叩いてあやしてくる。ふにゅぅ。
子供じゃないもん。子供じゃないから、もっとして欲しいなんて思わないもん。絶対思わないんだから!
「···にいに、もっと。」
「はいはい。ほら、よしよし。もう意地悪言わないから、な?」
むぅぅ。悔しいけど、気持ちぃ···。
「おやおや、仲が良いねぇ。カイ、知り合いかい?」
「いいや、さっきこの館のロビーにある長椅子に座ってるのを見つけた。たぶん、迷子だろうなー?」
あ、ぽんぽんされて眠気が襲ってくる···。睡魔なんかに私は負けない!負け、ない···まけにゃい···まけ···くぅ。
ついに堪えきれなくなった私はそのまま寝てしまった。
意識が落ちる寸前、にいにとお婆様が何か喋っているのが聞こえた。
「迷子···。ちょっとただ事では無さそうだね。こんな危険な動物がたくさんいる薄暗い森に、しかも最近人間の死体がごろごろ見つかった集落の近くである、『ここ』に幼児が保護者も同伴せず一人とは···。」
「保護者から離れて迷子になったのか、あるいは保護者が襲われて死んだか···どちらかと最初は思ったのですが、保護者がいる風でもなさそうですし···。この森は幼児一人だけで入るところじゃありませんから。」
「何か···嫌な予感がするね···。」
最後はちょっぴりシリアスに。
相変わらずの主人公の部外者っぷりw
一番当事者なのに知らされないw
そして最近アイリーちゃんは寝てばかり。←そうしてる本人。




