にいに
ちょっと短め?かもです(?)
何かの夢を、見た気がした。
いつもいつもそうだ。
次の日には何を見たのか思い出せない。
私の中には違和感だけしか残らない。
ずっとずっと·······
「チービ?起きたか?」
おおう!?夢の余韻に浸ってる間に少年が私に声をかけてくれていたみたい。
お水を片手に背中を撫で撫でしてくれる。
「おにーしゃま、ありがとう。」
お礼を言って水を受け取る。
ごくごく。あー生き返るー。
「そーいえばおチビ···じゃなくてアイリーンっていったっけ?自己紹介がまだ途中だったよな。俺の名前はカイル。ちなみに『にいに』でもいいぞ?」
お?にいに呼びの許可が!これは是非とも呼ばせていただきます!!
「······にいに!」
「ああ。よろしくな。」
「よろしくでしゅ!わたしはー···ええと、えっと···」
アイリーンじゃ呼びにくいかな、と思い何かいい呼び名は···と探していると
「アイリー、はどう?」
「アイ、リー···?アイリー···アイリー···」
聞き慣れなくて何度も呟いていると、にいにが不安そうな顔で「ダメ、か?」と聞いてくる。
寂しそうな顔で聞かれたら拒否できないじゃあないかっ!!
「ううん!うれしぃの!にいに、ありがとうなの!」
「おお。嬉しそうで良かった。さぁて、ヘレンお婆さんにご挨拶しにいかなきゃ。なー?アイリー」
「うんっ!ご挨拶すゆの!」
にいにに抱き上げられて上の階へ。
え?抱き上げられて、しかもにいにと呼んで恥ずかしくないのかだって?そんなもの、幼児になった時点で捨てました。
ちっちゃい子は存分に甘えられるし、きっと良いことがあるはず!···でしょ···?
そんな事を思っていると。
『アイリーン、ボクは人が来たから少し眠るよ。何かあったら心の中で呼んで。すぐに行くから。』
リトが話しかけてきた。
『え、リト、いっちゃうの?』
私の呼び掛けにリトは答えなかった。
その代わりとでも言うように優しい風が頭を撫でた気がした。
寂しいなぁ···。
急に黙りこんだ私を心配してか、にいにが声をかけてきた。
「アイリー、どうした?もうお婆さんの書斎につくぞ?」
「ううん。なんでもにゃいの。ただ···ちょっとだけ寂しくなっただけ。もうだいじょぅぶ。」
「そうか?あ、着いたぞ。ここだ。」
にいにの足が大きなドアの前で止まった。
ここ、かな?すごく立派なドア···。
「ヘレンお婆さん?いる?」
少ししてドアの向こうから「入っていいよ」という声がした。
「失礼します。」
にいにがドアを開ける。
優しい光が向こう側から私達を包み込んだ。




