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16 謀反

魔調整学園では、校舎が細かく分けられ生徒同士の接触をさせないような仕組みになっていた。

生徒たちはさほど気にするふうでもなく、囲われたコミュニティで纏って楽しくやっている。

囲われたと言っても百人単位なので「こういうものだ」と考えているのだろう。


その中で女性は特に厳しく囲われていた。

宗教的にも女性は外に出さないという国が多く、特段、不思議に思われていないようだが、ここユーフラティア帝国では別の思惑が大いに関係していた。


「魔の取り扱いが知られてしまう恐れがあるのは、女性の場合だ」


魔は、時間が経てば自然と馴染む。

魔との競合は、初めに行われる適性検査で終わってしまう。

意志が弱い物は弾かれる。要するに、魔に取り込まれてしまうからだ。

この仕組みは各国には知らせて、きちんと承諾を得ている。

それでも魔後からは各国にとっては、喉から手が出る程欲しいものなのだ。


適性さえあれば、誰でも魔に馴染めてしまう。

個人差はあるが、時間さえ掛ければ、「そのものの特性に魔が合わせる」というのは、帝国上層部で知られている事実だった。

だがそれは、外部には知らせないように気を配っていた。


もし、希少なスキルが他国に多く獲得されれば、帝国の脅威となるだろう。

魔とは諸刃の剣となり得るのだから。


それを隠すために、「馴染ませるためには魔物を倒す必要がある」

などと、制約を付けている。

だが、女性に戦わせるわけが行かないため、厳しく囲い込み、金額も上げて女性を隔離し、長い時間外部との接触をさせないようにしていた。


***


ここに、ネフェラという教授がいた。

彼女はこの帝国の仕組みに以前から不満を持っていた。


「こんな欺瞞をいつまで続けるつもりなの」


この国は産業自体が、魔で成り立つ弱い骨組みなのだ。

魔で得た大量のお金で食糧や各種のものを輸入して成り立つ仕組み。

もし、各国が真実を知った暁には、弱い立場に、たちまち立たされてしまうだろう。

たった一年、経済制裁を加えられたら、帝国民は飢えてしまう。


「誠実にすべてを明かし、魔法の体系をきちんと整理し、ここが学園国家として組み替えれば、未来が見えてくるはずなのに」


彼女は、もう一人の教授、ラシードを信頼している。

彼には部族長としての器もある。彼を態と帝国に取り込ませるように陰で手を打ったのはネフェラだった。


「ラシード。悪かったわ。あなたの将来を変えてしまって」

「いえ。構いません。でもなぜ私を?」

「あなたには新しい帝国の王になってもらいたいのよ」

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