2-2:婚約の話が来たあの日 その2
お父様が婚約の話を持って来てから次の日。
昨日王城に向かったお父様は、結局その日の内には戻らなかった。
きっと、昨晩は遅くなるから王城に泊ったのでしょう。
そう楽観視していたところ、私が学校から帰宅して暫くしたタイミングでお父様も帰ってきた。
「ど、ど、ど、どうしよう!? 婚約の話本気だったーー!!」
お父様は帰ってくるなり、皆の前でそう言った。
私が思った通り、昨夜のお父様は結局王城に出かけた末に城で一泊したみたいだけど……。
「お、お父様?」
「あの後、マーガレットの返答を国王様に伝えたら偉く大喜びでな。軽い宴になって付き合わされた上、今日になって正式な書面まで頂いてしまったよ」
婚約の話、国王様の冗談ではなく、かなり本気!?
周りにも聞こえていて使用人たちが動揺しているけど、お父様が隠さずに言ったって事は、これはもう冗談でも何でもなく本当に決まった話って事でいいんだよね?
「うむ、立ち話もアレだな。続きはお父さんの部屋で話そう」
「はい」
立ち話も疲れるし、使用人たちの目もあるしね。
場所を移した私とお父様は、書斎のソファーに座って話の続きを行うことにした。
「マーガレット、これが婚約の証明となる書面だ。大事なものだ、扱いは丁寧にな」
そう言われ、お父様に婚約の書面を手渡された。
へぇー、国王様が出す書面ってこんな豪華な装飾なんだ。
でも、この装飾が婚約の本気度に見えてちょっと引いちゃうかも。
私は書面の装飾を壊さないように慎重に取り扱う。
そして、記述されている文章に目を通すと、そこには「二年後に公表する」という気になる一文があった。
「あの、お父様? 二年後に公表というのは?」
「実はな、国王様と話し合ってマーガレットが16歳になるまでは公にしない事にしたのだ。まあ、あれだ。二年の間で国王様も心変わりするかもしれないからな。そのための猶予だ」
「でもお父様? 先程使用人たちの前で婚約の事を言ったのはよろしかったのですか?」
「先程言ったのは表向きの理由。本当の理由は別にあるし、そのためには家に仕える使用人たちの協力も必要になる」
本当の理由?
「いいか、マーガレット。第二王子の婚約者として相応しくなるように痩せろ!」
「えっ?!」
「そのために、父さんが国王様と交渉して何とか二年間の猶予を手に入れた」




