6-9:第一王子はマーガレットの手作り料理を食べたい その4
私がワカニャから教わった改良型ラーメンを気に入った第一王子は、それを大々的に売り出すと言い出した。
更には、そうする事により私の従姉であるルベラ・ブルドレドウィンに何かしら不利益になりそうな事を行うと。
「あ、あの第一王子? ルベラちゃんをギャフンと言わせるって?」
「あれから私もラーメンの事を少しばかり調べたのだ。そうしたところ、あれはルベラが父親であるブルドレドウィン伯爵の後ろ盾の元で自ら開発および販売を行っている事がわかってな。だから、ルベラのラーメンよりも売れる商品が販売されれば、あいつに一泡吹かせられるというわけだ」
第一王子の言いたい事はわかる。
そして、先の一件からルベラちゃんに何か意趣返しをしたい事もわかる。
けれど、それがこの改良型ラーメンで行えるとは思えないのだけど。
「あの? お言葉ですが第一王子。このラーメンはあくまで第二王子ライジェル様が沢山召し上がっても太らない様に改良したラーメンで」
「何、そうなのか?」
「はい。これまでもライジェル様の事を思って、少しずつ痩せられる様に王城の料理人たちと相談してなるべく太らない料理に切り替えていたのです」
「成る程。私も前々から弟は太り過ぎていると思っていたし、健康の事を考えると痩せた方がいいとも思っていた。だが、しかし……だ」
「しかし」って、王城の料理に口出すのは良くなかったのかなあ?
私は、第一王子のその言葉に雲行きが怪しくなったのではないかと若干不安になる。
「マーガレットが作ってくれたラーメンは美味しい! だから、やはり売り出して世に広めるべきだ!」
第一王子の思わぬその言葉に、これまでの行いが否定されなかった事に私は安堵する一方、余程あのラーメンの事を気に入ったのだと少々困惑する。
これがルベラちゃんのラーメンよりも売れるとは思えないけれど、そこまで気に入っているのなら仕方ないか。
「わかりました。このラーメンを売り出せるようにお父様に、ファーレネイド伯に打診してみます」
「うむ。私も支援を惜しまないと口添えしてくれ」
第一王子による推しもあって、何か流れ的に私が作ったラーメンもといワカニャから教わったラーメンを売り出す事業を進めなきゃいけない事になってしまった。
でも、お父様も今までの動向から見てワカニャから教わった異世界の料理だから事業立ち上げには乗り気になるだろうし、お父様の義弟に当たるブルドレドウィン伯も合同事業にするとなれば難色を示すなんて事は無いはず。
とりあえず、改良型ラーメンのレシピを伝えた事で第二王子がラーメンを食べ続けて太るのは阻止できるはず。
だけど、第一王子の策略によって予想外の大事になりそう。
私はその事に少し恐怖した。




