5-11:第二王子に初お呼ばれ その4
まさか、第二王子にラーメンを寄贈したのが従姉のルベラちゃんだったなんて。
だから、さっきルベラちゃんとすれ違ったんだ。
そして、うちの特産である醤油と味噌をスープに使っていたのもこれで納得。
お父様とルベラちゃんの父親であるブルドレドウィン伯は義兄弟の関係で仲が良くて、互いの領地間での交易も盛んだし。
「な、なあ。俺の聞き間違えじゃないよな? ルベラというのは」
「合っているが、どうした兄貴? 珍しく顔色も悪いし、少し休んだ方がいいんじゃないか?」
「いや、大丈夫。急に食欲が無くなっただけだ」
「食べないなら残りは俺が貰うぞ、って本当に大丈夫かよ!?」
私と共に驚いたのは第一王子。
ルベラちゃんとはあんな事があったばかりだから仕方がない。
つい先ほどまで第二王子が振舞っていたラーメンを美味しそうに食べていただけあって、そのショックは大きいと思う。
「ちょっと! ライジェル、あんた仮にも王子なんだから食べ残しを食べるだなんて意地汚い真似しない!」
「ビトル、大丈夫? 私たち姉妹で部屋まで送ろうか?」
「あっ、いや大丈夫だ。自分で部屋まで帰る」
公爵令嬢のロジーナ様とピオーネ様が第一王子を気遣っているけれど、第一王子の具合が悪くなった本当の理由は話せないなあ。
「第一王子、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だよマーガレット。君が私の事を義兄と呼んでくれれば、直ぐにでも元気になる」
「そ、それは……」
何言ってんの、この人?!
で、でも、第一王子がこうなったのも従姉のルベラちゃんのせいだし。
おにいちゃんって、よ、呼ばなきゃダメ、かな?
「呆れた、こんだけ元気なら大丈夫っぽいね、ロジーナ」
「そうね、ピオーネ。心配して損した」
「またそれかよ、いい加減諦めろよ兄貴。マーガレット、呼ばなくていいからな」
ふう。
ロジーナとピオーネに第二王子が流れを変えてくれた事に私は安堵した。
「ビトルがあんな感じだし、今日はお開きにしよっか、ロジーナ」
「そうね、ピオーネ。残念だけど、また次回にしましょう」
「仕方ないな。って、元はと言えばマーガレットしか呼んでいないはずなのに、お前らが勝手に押しかけてきただけじゃねーか!」
「ライジェル様、そんなに怒らなくても。私は、皆様ともご一緒できて嬉しかったですよ」
こうして、今日行われた第二王子からのお呼ばれイベント、もといラーメンを食べる会は終了。
それにしても、従姉のルベラちゃんにあんなに色々とやられるだなんて。
楽しかったけれど、何か色々と疲れちゃった。




