5-10:第二王子に初お呼ばれ その3
第二王子が用意した「ラーメン」という料理。
小さな器によそわれたものをメイドから受け取り、それを私たちは食べ始める。
まず、最初に受け取ったのは醤油ラーメンという醤油がベースになったスープのもの。
フォークを使ってスープの中にある麺を取り出し、それを口に運んで食べる。
「美味しー!」
温かいスープと麺が絶妙に絡み合って美味しいし、個人的には実家のファーレネイド家が特産物として製造している醤油をスープにしている事も好感度が高い。
「ははは、そう言ってもらえると俺も嬉しいぞ」
私が「ラーメン」という料理を喜んでいる事に、それを用意した第二王子もご満悦の様子。
「うむ、確かにこれは中々。だが、このスープを飛ばさずに食べるのが大変だな」
「美味しいのだけど若干食べ難いのがちょっと。ねえ、ピオーネ」
「そうね、ロジーナ。美味しいのだけどそこが残念」
第一王子に公爵令嬢のロジーナとピオーネも味は気に入っている様子。
けれど、確かに言われてみればスープを飛ばさない様に食べるのはちょっと大変かも。
「お前ら、文句があるなら食べなくていいのだぞ。そもそも、呼んでいないのに勝手に来てよく言うわ」
「確かに、これは俺が悪かった」
「味はいいって言っているでしょ!」
「ほら、もたもたしていると『味噌ラーメン』の方が冷めちゃうよ」
そして、次は「味噌ラーメン」の方がメイドから配られて同じ様に皆で食べる。
こちらの料理も私の実家の特産物である味噌をベースにしたスープを使っており、醤油ラーメンとはまた違った美味しさ。
先程の醤油ラーメンといい、この味噌ラーメンといい、うちの特産品である醤油と味噌を使うセンスの良さが本当に素晴らしい。
「いやー、美味かった。流石、最近大流行の料理だけあるな」
最近大流行?
第二王子のその言葉に、このラーメンという料理の事を全然知らなかった私はちょっとだけ焦る。
ここ最近の私は第二王子に作る料理の事で頭が一杯だったから、この料理の存在に気付けなかったのかも。
「本当、販売店は連日大行列らしいのによく手に入ったよね」
「直接取り寄せるだなんて、ライジェルやるじゃない」
「実は製造元の方から寄贈されてな。是非、第二王子に食べてほしいと」
公爵令嬢のロジーナとピオーネの疑問に対し、第二王子はそう答えた。
という事は、それを二人で食べたいと思って第二王子は私を今日招いてくださったのかも?
「ライジェル様、そんな貴重なものを私が召し上がってもよろしかったのですか?」
「ああ、問題ない。婚約者であるマーガレットと二人で食べるといいと、製造元であるお前の従姉ルベラ・ブルドレドウィンから寄贈されたものだからな。それを独り占めする程、俺はケチじゃない」
「ルベラちゃん!」
「ルベラ!」
その場にいる私、そして第一王子が声を上げた。




