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5-4:悪役令嬢ルベラちゃん登場 その1

 その日、私は王都の学校で意気揚々の気分だった。

 でも、気分が良くなるのは仕方がない。

 だって、最初の目標が達成できたのだから。


 そう、第二王子に料理を食べてもらえた事。

 婚約破棄未遂に、胡麻ドレッシング試食の失敗。

 これらを経てようやく一歩前に進めた事が嬉しくないはずがない。


 そうして気分よく学校内を歩いていた私は、どこか見覚えのある女子生徒とすれ違った。


「あら? ピギーじゃない。その浮かれた様子、憎たらしいったらありゃしない」


 とある女子生徒が出くわすなり、浮かれた私に突然水をかけるみたいな事を言い放つ。

 私の愛称を本来のPeggy(ペギー)ではなくPiggy(子豚ちゃん)と呼ぶ事からして、多分私が痩せる前の知り合い。

 誰だったかと思い返してみたところ、不確定だけど私の中で一人の人物が浮かび上がった。


「あの、もしかしてルベラちゃん?」

「きーッ! ちょっと身長と胸が大きいからってまたそんなに見下して!! 私の方が一つ年上なんだからね!」


 私に話しかけてきた女子生徒は、従姉のルベラ・ブルドレドウィンだった。

 お父様の妹に当たる私の叔母の娘で、叔母様が嫁いだブルドレドウィン伯爵家の令嬢。

 出会ってすぐに気が付けなかったのは、以前と比べて雰囲気が代わっていたからだ。


 うーん、前はもっと大人しい感じの子だったのだけどねえ。

 昔は気が弱くてこんな事言ってくるような子じゃなかったし、髪型も小さい子みたいなツインテールにしているしで、一体どうしちゃったのだろう?


 でも、ルベラちゃん。

 ちょっと周りより身長が低いせいもあって、普通なら年甲斐もないツインテールの髪型も意外に似合っていて可愛いかも?

 年下の私がルベラちゃんって思わず呼んじゃうくらいには。


「と、とにかくッ! ピギー、あんた最近浮かれ過ぎじゃない?」

「えっ? だって、婚約者の第二王子に料理を食べてもらえたし」

「ふーん。そんな事が嬉しいの?」

「ええ。だって、少しでも第二王子と仲良くなれたのですからッ!」

「へぇー。そんな事が嬉しいんだー」


 先程からの私の言葉に対して、ルベラちゃんは何だか小馬鹿にしている様子。

 いいじゃん、別に。

 やっと少しだけ心底前向きな気持ちになれて浮かれるくらい。


「それで、第二王子と仲良くなって何したいの? あんなのと仲良くなったって良い事なんて無いでしょ? あの第二王子じゃあ第一王子を差し置いて将来王様になるだなんて天地がひっくり返ってもないだろうし」

「ふふん。よくぞ聞いてくれました。今、私は第二王子を痩せさせてイケメンにするという計画を進めているのです」

「そんな事できるわけ──」

「それが、できるのです。私が考案した料理を第二王子に食べさせれば痩せられるのです。そう、私が痩せたみたいに」


 私は、目の前にいる従姉のルベラに対して自慢げに「第二王子を痩せさせる計画」について伝える。

 本当は私が考えた料理じゃなくてワカニャが提案してくれた料理なんだけど、家の秘術は従姉のルベラちゃん相手でも秘密だしね。

 うん、多少嘘が混じるのは仕方ない。


「そう、なるほどねえ。それじゃあ、私もう行くから。ピギーと違って暇じゃないの、私」

「うん。久しぶりに合えて嬉しかったよルベラちゃ…ルベラ姉様」

「ふ、ふんッ。では、ご機嫌よう」


 そう言って、ルベラちゃんは行ってしまった。

 何だったんだろう?

 何か色々と酷い事を言われた気はするけれど、久しぶりに顔を見れたのは本当に嬉しかったかも。


 去っていくルベラちゃんと姿を遠目に眺めていると、一瞬何か黒い物がフワフワしている気がした。

 ワカニャっぽくも見えたけれど色からして違うし、気のせいかな?


 うーん。

 もしかしたら、第二王子の件で疲れが出ちゃって幻覚でも見えたのかも?

 無理して倒れても大変だし、今日はちょっと早めに休もうかなと、私は思った。

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