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3-7:王城で胡麻ドレ試食会 その4

 私が第二王子にサラダを食べてもらえなくて困っていると、第一王子が間に入ってきた。


「もういい。お前が食べないなら俺が食べるぞ!」

「好きにしてくれ。というか、むしろ俺の代わりに兄貴が食べてくれ」

「と、いう訳だ。マーガレット、私が代わりに食べてしまってもいいかな?」

「え、ええ。どうぞ」


 えー、第一王子が食べちゃうの!?

 本当は第二王子に食べてもらいたかったけれど、次期国王とされる第一王子に逆らって印象悪くするのは何か色々と不味い気がするし断れないし。

 だから、私はそれを素直に受け入れるしかなかった。


「むッ! こ、これは中々……」


 私が第二王子のために用意したサラダと胡麻ドレッシングを、第一王子は多分美味しそうに食べている。

 あーあ、これで第二王子と仲良くなる作戦は失敗かあ。

 でも、少なくとも胡麻ドレッシングがお気に召さなくて第一王子の機嫌を損ねるという事はなかったので、そこは良かったかも。


「うむ、実に美味だった。また食べたいのだが、これは何処で買えるのだ?」

「今は私の地元だけでの流通ですが、近日中に王都でも販売されるようになる予定です」

「それは良かった。それまで楽しみにしているぞ」

「あ、後、お城の厨房にも今日私が持ってきた分が少し」

「マジか! ちょ、ちょっと厨房に行ってくる!」


 そう言って、第一王子はお城の厨房の方に行こうとする。


「おっと、マーガレット。これからは何時でも城に遊びに来てくれ」


 去り際に、第一王子が私に城に出入りする許可をくれた。

 こ、これだけで今日の成果は一応あったかも。


「は、はいッ! ありがとうございます、第一王子」

「うむ。でも、やっぱりまだ義兄(おにいちゃん)呼びは恥ずかしいか」

「そ、それは……」

「やめろよ兄貴! 弟の俺の方が恥ずかしいわ!!」


 私が第一王子の扱いに困っていると、第二王子が会話を割ってくれ、そのまま第一王子を部屋から追い出してしまう。


「まったく、兄貴にも困ったものだ。だけどな、兄貴も久しぶりに女の子とまともに話させて、つい舞い上がってしまったんだろうな」

「えっ?」

「ここ数年、次期国王になる兄貴に寄って来る女は王妃の座を狙う奴ばかりでピリピリしていたからな。女の前で隙を作れないんだよ」


 ああ、そういう事。

 女嫌いな態度は女性を寄せ付けないため。

 そして、第二王子の婚約者である私にはすっかり油断していたと。


 あれ?

 もしかして、今チャンスなのかな?

 このまま会話を続けられれば第二王子と少しでも仲良くなれるかも。


「あの……」

「マーガレット、お前ももう帰れ。用は済んだのだろう?」

「えっ、でも、折角だから少しお話でも──」

「いいから帰れ!」


 がーん!

 だめだったー。


 私は第二王子に強い言葉で部屋から追い出されてしまう。

 残念だけど、今日はここまでかな。

 仕方なく、私は一人しょんぼりしなから帰る事に。


 帰り際、庭の方に出ると何やら私に手招きする女性が二人いる。

 先程、城内に入る時に出会った公爵令嬢のロジーナとピオーネの姉妹。

 一体、私に何の用だろう?


 無視して後で何かあっても怖いし、かと言って行った先で何かあっても怖い。

 どうしようかと少し悩んだけれど、どの道何かあるなら行って確かめた方がマシかも。

 私は恐る恐る手招きする二人の方に歩いた。

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