3-5:王城で胡麻ドレ試食会 その2
城内に入った私は、まず厨房に案内してもらう。
胡麻ドレッシングを試す用のサラダを作ってもらうためにである。
流石にドレッシングだけ飲めというのは横暴が過ぎるし、私が用意したサラダよりも普段慣れ親しんだサラダの方が良いと思ったから。
「このドレッシングを第二王子に試してもらうためのサラダを用意してほしいのですが、折角ですので、まずは厨房の皆様も一度」
「どれどれ──。こ、これは!!」
「これなら第二王子も召し上がるかも!」
王子に出す食事なので、王城の厨房で働いている料理人たちにも胡麻ドレッシングを試してもらったところ、ここでも大好評。
料理人たちの太鼓判も貰った私は、意気揚々とサラダと胡麻ドレッシングを第二王子の元へと持っていく事に。
私が王城のメイドに第二王子の居場所を尋ねたところ、彼女はこう答えた。
「第二王子ライジェル様でしたら、自室にいらっしゃるかと思われますので、私がご案内致します」
自分の部屋にいるのかあ。
だったら、部屋まで押しかけて仲良くなるチャンスかも。
なので、私はサラダとドレッシングを乗せた料理のトレイを手に持ち、メイドの案内の元第二王子の部屋へと向かう事にした。
第二王子の部屋。
男の人の部屋ってお父様とお兄様の部屋しか見た事ないし、どんな感じだろう?
と、そんな事を考えていたところで廊下の奥から見覚えのある男性が歩いてきた。
あ、あれは確か第一王子。
先日のパーティーで見たから分かる。
でも確か格好良くてモテるけど女嫌いって噂だし、怖い人だったらどうしよう?
若干不安に思いながら、私は第一王子とすれ違おうとするのだが、
「やあ。誰かと思えば義妹のマーガレットじゃないか」
第一王子の方から声をかけられてしまった。
「こ、こんにちは第一王子。本日はお日柄も良く」
「やだなあ、マーガレット。私の事は義兄と呼んでくれないかな?」
な、何この人!?
女嫌いって話は何処行ったの??
というか、馴れ馴れし過ぎない!?
第一王子の突然のアプローチに私はどう対処すべきなのか分からず、困惑してしまう。
義妹って、確かに将来私が第二王子と結婚すればそうなるけどさあ。
気が早過ぎでしょ!?
「ビトル様、マーガレット様はこれからライジェル様のところに……」
「黙れ、誰が貴様の発言を許可した! 私は今、可愛い義妹と話をしているのだぞ!!」
「ひッ……!」
若干戸惑っていた私を見かねたのか、道案内をしてくれていたメイドが助け船を出す感じで第一王子に状況を説明しようとしてくれたのだと思う。
けれど、そんなメイドを第一王子は一喝して黙らせてしまった。
こ、怖ッ!
何もそんなに強く言わなくても。
やっぱり、女嫌いって噂は本当なのかな?
「あ、あの、第一王子。私、これから第二王子に新しいドレッシングを試してもらいたくて」
「成る程。メイドに持たせず、態々自分で大事そうに皿に盛りつけたサラダを乗せたトレイを持っているのはそういう事か」
「ええ、是非とも第二王子に召し上がってもらいたくて」
「そういう事なら私がエスコートしよう。メイド、貴様は下がっていいぞ。ここまでの義妹への案内、ご苦労だったな」
「は、はいッ!」
私をここまで案内してくれたメイドはそそくさに立ち去ってしまう。
そして、私は第一王子に案内される事に。
ちょ、メイドさん置いてかないでぇ……。
心の中で、私は思わずそう叫んでしまう。
「では、行こうか」
「はい……」
こうして、私は妙に馴れ馴れしいのか怖いのかよく分からない第一王子に若干怯えながら、第二王子の部屋へと向かう事となってしまった。




