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1-3:いきなりの婚約破棄

 婚約破棄!?

 今日、この場は私と第二王子の婚約を正式に宣言するだったはず。

 なのに、それがどうして婚約破棄の宣言に??


「あ、あの第二王子? どうして……?」

「黙れッ! 俺が婚約破棄と言ったら婚約破棄だ!」


 問答無用で一方的に婚約破棄されてしまった。

 元より、一方的に舞い込んで来た婚約の話ではあるし、痩せて綺麗になった事もこれからの事を考えると多分無駄にはならないと思う。


 けれど、やっぱり皆の前で私に恥をかかせるように婚約破棄宣言だなんて酷いッ!

 ああッ、もう! 何かもやもやする!!

 周りの皆だって、この無様に振られた私の姿を見て、きっと馬鹿にしているに違いないし。


「おいおい、あの第二王子が婚約破棄? 冗談だろ? それとも、他に女でもいるのか?」

「あんなのに寄って来る女なんているわけないじゃない。なのに、アレを振るだなんて何様のつもりなんだか」

「どう見ても婚約破棄される側なのにね。あっ、もしかして振られる前に振るってやつかしら?」


 ひ、酷い言われ様。

 第二王子が。

 周りから、第二王子をあざ笑う声が聞こえてくる。


 仮にも国王様の御前なのに、この言われ様。

 貴族たちの第一王子派だという意思表示なのかもしれないけれど、それにしたってここまで言わなくても。

 つい先程第二王子に酷い事を言われた私ですら、彼に対するこの仕打ちには思わず同情してしまう。


「五月蠅いッ! 皆、皆、俺を馬鹿にしやがって!」


 第二王子がこう叫んで周りの貴族たちを黙らせる。

 そして、それから彼は私にこう言い放った。


「なあ、マーガレット。貴様も俺を見て『ああは成りたくない』と思い立って痩せたんだろう? 俺を馬鹿にするために!」

「そんなわけ無いでしょ!」


 その言葉に苛立った私は、思わず第二王子を平手打ちで(はた)いてしまう。

 パーティ会場にパァンという音が響き渡る。


 そんな簡単に痩せられるものですか!

 私だって、周りに手伝ってはもらったけれど私なりに苦労して痩せたのだからッ!!


 それに、誰が馬鹿にするものですか!

 私だって、元は太っていたし。

 今の第二王子を姿を見たところで、過去の自分を否定するみたいで悪くだなんて言えない!


「な、な、な、何をする貴様ーーッ!」


 第二王子は(はた)かれた頬に手を当てつつ擦りながら一歩後退り、驚いた様子で私の方を見る。

 まさか、王子である自分に面と向かって歯向かうとは夢にも思わなかったという感じで。

 そして、声を若干裏返しながら私にこう叫び、その声で私は冷静さを少し取り戻した。


 ど、ど、ど、どうしよう?

 仮にも王子に平手打ちしちゃった。

 これって、何か罪とかに問われちゃうかも?!


「よ、よ、よくも俺に手を上げたな! 父上に頼んで貴様の家ごと潰してくれるわッ!」

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