2-6:妖精ワカニャとの出会い その1
自分の部屋に戻った私は、何をするでもなく服を着たままベッドの上で仰向けになった。
──何となく、疲れたなあ。
第二王子との婚約の事、これから二年の間に痩せなきゃいけない事、そして先程の儀式。
はぁ、どうしよう?
これからの事を考えようとするも頭が働かず、ただベッドの上での時間が過ぎてゆく。
…………。
「こらッ! 起きろぉーー!」
?
何か、声が聞こえたような気がして辺りを見回すと、光の小さな球のようなものがフラフラと飛んでいるのが見える。
寝てしまったのかな私?
そうなると、これは夢の中?
って、事は。
「えっと。こんにちは、夢の中の妖精さん」
「夢の中じゃないよ、現実だって! いや、私の中じゃ夢みたいな感じだけど違うから!!」
現実?
私はベッドから起き上がり、改めて宙に浮かぶ光の球をじっと見る。
「はじめまして、マーガレット」
「あなた、何なの? どうして、私の名前を?」
「私? そうね、女神様からマーガレットに遣わされた魔法少女のマスコット妖精かな?」
魔法少女?
ちょっとよくわからないけれど、女神様ってのは地下にある女神像の事なのかな?
だとすれば、この光の球がもしかして?
「もしかして、あなたが私の願いを叶えてくれるの?」
「ふふっ、まっかせなさーい。念願叶って魔法少女のマスコット妖精に転生したこの私が、マーガレットを変身させてあげる」
「じゃ、じゃあ私の事を痩せさせるってのもできるの?」
「スレンダーなお姉さんに変身したいのね? よろしい。では、その望み、叶えましょう」
えっ?
これもしかして、いきなり痩せた姿に変身できるって事?
本当は痩せる方法を知りたかったのだけど、手っ取り早く変身できるのならば、これはこれでいいかも。
「よし、それじゃあマーガレット。青系の魔法少女になーーーれ!」
宙に浮かぶ光の球が、アオケイノと何やら呪文を唱え始める。
しかし、何も起こらない。
光の球は私の周囲をグルグルと周って如何にも何かが起こりそう感じ。
でも、何も起こらなかった。
「あれ? あれあれ?? どうして?」
光の球が何やら困惑の声を発する。
そして、
「あの、マーガレット? 魔法少女に変身する呪文とか知ってる?」
知るわけないでしょ!
ってか、魔法少女って何?
ちょっとでも、いきなり痩せた姿に変身できて楽できると期待した私が馬鹿だった。
やっぱり、簡単にはいかないよね。
最初に想定していた方法で行くことにしよう。
「あの、私、痩せる方法が知りたくて女神像に願いましたの。だから、それを教えて頂戴」




