2-4:家宝の禁術と異世界の知識 その1
二年後の婚約公表に備えて痩せる事になった私だけど、いったいどうやって痩せればいいの?
簡単に痩せられるならば、とっくに痩せている。
だって、太っているよりかは痩せていた方がいいのは分かっているし。
けれど、それができないから太っているわけで。
確かに、何も食べなければ痩せるかもしれないけれど、そんなの無理!
それに、そんな方法で実際に痩せられたとしても食べるのを再開したらまた太っちゃうし。
何より、お腹が空くのなんて耐えられない!
だから、ちゃんと継続的に痩せられる方法が分からないと意味が無い。
だけど、どう頑張ったらいいかも分からないから太っている訳で。
お父様は、そこのところでちゃんと勝算があるのかしら?
「あの、お父様? いきなり痩せろと仰られましても、私どうすればいいか?」
「案ずるな、マーガレット。ちゃんと方法は考えてある」
よかった、流石はお父様!
「それで、その方法というのは?」
「ファーレネイド家に伝わる秘伝の術を使う」
「我が家秘伝の術!? それを使えば痩せられるのですか!!」
何それ? すごい、すごーい!
家にそんなものがあっただなんて。
私は思わず興奮してしまった。
「落ち着け、マーガレット。この術はあくまで知識を与えるもの。使えばたちまち痩せられるとかそういう類のものではない」
なーんだ。
流石にそんな都合よくはいかない、か。
でも、その術を使えば痩せる方法は分かりそう。
「ファーレネイド家の秘術は冥界から異世界の魂を呼び出すもの。そして、その呼び出した魂から異世界の知識を得るというものだと伝えられている」
「冥界の魂!? そのようなものを呼び出して大丈夫なのでしょうか?」
「分からない。だが、その秘術は家の危機以外では使ってはいけない禁術とも伝えられている。おいそれと使って良いものでは無い」
禁術!?
やっぱり危険なんじゃあ?
「でしたら、私のために使って良いものではないのでは?」
「それは違うぞ。これはもうマーガレット一人の問題ではない。国王様の機嫌を損なえばファーレネイド家そのものを潰されるかもしれないのだ。これが家の危機以外の何になるというのだ」
た、確かに。
私が痩せる事に家の命運がかかっているのですね……。
「それに、この禁術は過去にも使われた事があり、家の危機を救っている。家に伝わる豆腐・醤油・味噌の製法、あれは財政難で家が潰れかけた時に禁術で得た知識で、それらを作って販売する事で危機を乗り越えられたという訳だ」
なーんだ。
過去に使われていて、ちゃんと安全なものだって分かっているんだ。
だったら安心。
禁術と聞いた時は驚いたけれど、そういう事なら。
「分かりました」
「よし、では早速だ。秘伝の術は家の地下にある女神像の間で行う。まずは、そこへ移動だ」
こうして、私はお父様に連れられて今まで入った事ない家の地下へと行く事となった。




