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婚約破棄された伯爵令嬢が、王女の侍女になって王宮の食事改革を始めました  作者: 絵宮 芳緒
第四章 広がる評判

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第十七話 遅すぎた後悔

リディアとカイルがその場を離れたあとも――


アルフレッドはしばらく動けずにいた。


銀の髪の少女。


かつて婚約していた令嬢。


そして今は、ヴァルディーク公爵家の嫡男の隣に立っていた。


その光景が、頭から離れない。


「アルフレッド様?」


隣でミレーヌが声をかける。


だが、アルフレッドは気づかない。


ただ、遠ざかっていく二人の背中を見つめていた。


(どうして……)


胸の奥に、説明できない感情が広がる。


婚約を解消した時。


リディアは何も言わなかった。


責めることもなく、ただ静かに頭を下げた。


その姿を、なぜか今になって思い出す。


(あの時――)


アルフレッドの視線が再びリディアへ向く。


優雅に歩く姿。


落ち着いた振る舞い。


そして、その隣に立つ男。


ヴァルディーク公爵家の嫡男。


社交界でも名の知られた人物だった。


その男が、自然な動きでリディアの隣に立っている。


まるで、それが当然であるかのように。


アルフレッドの胸の奥で、何かが静かに軋んだ。


「……リディア」


思わず、名前がこぼれる。


その時だった。


遠くで、カイルがふと視線をこちらへ向けた。


黒い瞳が、一瞬だけアルフレッドを捉える。


そして――


静かに視線を外した。


それだけだった。


だが、その仕草ははっきりとした意思を示していた。


彼女は、もうこちら側ではない。


アルフレッドは言葉を失う。


その隣で、ミレーヌの視線が鋭くなる。


舞踏会の音楽は、何事もなかったかのように続いていた。

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