LOVE.7 コミュニケーション
シュタイン邸。シャワー室。
「お、お前ら。お湯が熱い。調整してくれ!」
腰にタオルを巻いたアインが、わめく。
「聞こえませんよ」
「ワタシたち、メイドにお任せよ」
メイド服姿のフランソワとスペイシーは、アインにシャワーを浴びせながら、背中を洗っている。
「う、うわ。熱い。やめろ〜」
アインは騒ぎながら、頭、顔、背中を洗ってもらった。
広間。
キレイになったアイン。
イタズラ者の、二人のアンドロイドの頭をわしづかみにしてやる。
「遊ぶな!」
「お手伝いしただけですよ」
「お礼に、アイスクリームちょうだい」
「アイスクリームが、欲しかったんだな。早く言え」
アインは、愛娘二人の前に、ストロベリーアイスカップを置く。
「イタズラするから、今回はストロベリーアイスにしてやった」
「ストロベリー…」
「ストロベリーアイス…」
興味津々に、アイスをのぞき込む愛娘アンドロイド。
ピンク色だ。
LOVE.7 コミュニケーション
検索ワード〈織田雄太〉。
ドクトル・織田。
本名・織田雄太。葉原歴史研究者。
消滅したロボットアニメ文化を、主に研究。
専属アンドロイド。
ヲトメ2号型。識別名称“フランソワ”。
ヲトメ3号型。識別名称“スペイシー”。
配偶者、安室美絵博士。
自宅。研究室。
「歴史研究者か。ロボットアニメ文化…。フランソワとスペイシーのことも書いてある。後は…」
安室美絵博士。
科学組織アルテマの科学者だ。
名前だけ、聞いたことがある。
ヲタクシリーズという、趣味知識型アンドロイドを作成している科学者だ。
二人のアンドロイドの言っていた。
ご主人様。織田雄太。
アニメロボットの研究者だったようだ。
この人物が、フランソワとスペイシーに、機械を愛するプログラムを提案したのか。
それは、反乱という危険思想にまで発展した。
愛娘、二人をファンダム好きにした。
アインは、二人に、ファンダム様と会えるようにすると約束をした。
どんなロボットかわかれば、3Dプリンターで会わせてあげることができる。
「ひと目、そのお姿を、実物にお会いしたいです」
「この目で、見つめてみたい」
と、愛娘二人が、言っているからである。
過去の著作権を、実体化する場合。“3Dプリンター”で、一時的に作って、一時間以内に元の素材に戻せば良いと書いてあった。
かなり、雑な法律である。
やはり、金銭報酬の無い未来では、法律を作るのも適当なのだろうか。
「オジサマ。ファンダム様に会わせてくれる約束は、いつ果たしてくださるのですか」
「オジサマ。ファンダム様に会わせて」
「研究室で騒ぐな。3Dプリンターを発注してるから、待ってくれ」
アインは、つけヒゲをなぞる。
「3Dプリンター?古いものですね」
「それで、ファンダム様に会えるの?」
「そうだ」
「…ア、アインさまん。お電話ですん」
「ん?アルテマ回線か」
アルテマ回線の電話。科学組織アルテマに所属する者同士の直通テレビジョン電話だ。
アインが、ディスプレイコンピューターの一部につなげる。
「私は、安室です。アイン博士で間違いありませんか?」
栗毛の長い髪の白衣美人が、通信してきた。




