LOVE.6 ファッションセンス
シュタイン邸。衣装部屋。
「アタシの服ならいっぱいあるんだけどねえ」
妻ツヴァイが、クローゼットでお洋服を探す。
いつまでも、バトルスーツ姿のフランソワとスペイシーを、お洋服に着替えさせてあげるつもりなのだ。
これは、ツヴァイの発想である。
「俺は…」
「アインは、黙ってて!愛娘のお着替えなのよ!」
「アインさまん。ツヴァイ奥さまの言いつけにより、衣装部屋は、男子禁制でございますん」
「な、何でだ…」
アインは、服を選んであげたい。
しかし、年頃の女の娘のお洋服を選ぶのは、妻に禁止されてしまった。執事マロン1号に止められる。
「ふ、服を選びたいのだが…」
「アインの好きな服って一択なのよね」
ツヴァイは、ため息をつく。
「あの。オジサマは、どんな服を選ぶのですか?」
「オジサマって、アインのこと?」
「はい。貴方は、オバサマです」
「オジサマとオバサマよね」
アイン=オジサマ。
ツヴァイ=オバサマらしい。
一気に親近感がわく。
「アインはね。メイド服が、好きなのよね。ほほほ」
LOVE.6 ファッションセンス
メイド服。
お家に仕える女性型アンドロイドが着る、衣装。
それは、可愛い。愛らしいお洋服。
一部、ここでは、特にアインが好んでいる。
「メイド服にしました」
「メイド服にしたわよ」
フランソワとスペイシーのメイド服。まぶしい。
「あ、良いな。すごく良い」
アインは、目を細める。まぶしいからだ。
「アインの好きなメイド服を選んでくれるなんて、心を許してくれたってことかしら」
「アインさまのお心をわかってもらえましたん」
ツヴァイと執事アンドロイドのマロン1号は、喜ぶ。
「オジサマのおかげで、冷凍刑を逃れましたから」
「オジサマに喜んでもらう方を選んだだけよ」
「オジサマって、俺のことかな?」
「そうです」
「そうよ」
「そうか。そうか」
アインは、愛娘と交流をする中で気になったことがある。
「お前たちは、どうして、機械を好きになったんだ?」
反乱アンドロイドとなった二人。
働くことを止めて、過激行動に走った。
機械。過去のアニメロボットのファンダム様が大好き。
人間を好きになるのが、嫌だと言っていた。
アインは、ファンダム様に、絶対会わせてやると約束している。
「カッコいいからですよ」
「カッコいいからよ」
「カッコいいからか。ロボットが好きなんだよな」
愛娘たちは、人間よりも、機械に恋心を抱くらしい。
言いにくいが、アンドロイド生成の時、恋愛感情操作も行われると言う。
科学組織アルテマが、全てのアンドロイド生成を行なっている。その時、アンドロイドの頭の中も、完全に決定できると聞く。
フランソワとスペイシーは、どんな恋愛感情操作を受けたのだろう。
機械を愛するように、設計されたのか。
「ワタシたちの、ご主人様である人間は、ロボットおたくでした」
「ワタシたちに、ロボットを好きになる注文をしたのよ」
思わぬ事実である。
二人のご主人様である人間が、注文したとは。
そのご主人様は、自信もロボット好きで、意見の合うアンドロイドを望んでいたという。
「織田雄太という人物です」
「オダさまって、いうの」
「織田雄太…」
聞き慣れない名前である。




