LOVE.5 アイスクリーム
シュタイン邸。食卓。
「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした」
アインとツヴァイは、朝食を終える。
ブルーベリージャムのコッペパンを食べた。
美味しかった。
未来の特典。
パンが、ものすっごく美味しいこと。
毎朝、焼きたてパンの美味しさが食べられること。
「いいですよね。人間って」
「ワタシたちなんか、エネルギーオイルよ」
「限られた水しか飲めませんし」
「故障しちゃうからよ」
フランソワとスペイシーが文句を言う。
「あ、そうなのか。確かに、マロンもそうだもんな」
アインは、シュタイン家の専属執事アンドロイドのマロン1号を見る。
ちょうど、エネルギーオイルを飲んでいた。
アンドロイドは、食を楽しめないのだ。
水…。なら、飲める。
食べ物は、NG。
何とかしてあげたい。愛娘たち。
味のある、限られた水に近いものを作ればいいのだ。
LOVE.5 アイスクリーム
アンドロイドの食事情。
基本、エネルギーオイル一択。
エネルギーオイルのみ。後、限られた水。
食べるのは、推奨しない。
あまり、変わったものを飲めない。
故障の原因となる。
自宅。研究室。
「何で、アンドロイドの食事情に、切り込む科学者がいなかったんだ」
アインが、指摘するのも当然だ。
うっかりさん、だらけか。
何で、誰も考えていないのか。
お金持ちとなり、金銭で豊かになった人間は、何も考えなくなったのだろうか。
とにかく、アインは考える。
愛娘たちなのだから、甘いものが欲しいだろう。
女の娘は、甘いものが大好きだ。
アンドロイドとしての機能を壊さない、飲み物。
ワード検索する。
アンドロイド用に最適な飲み物。
主に、水。エネルギーオイル。
その他、嗜好品として、ジュース、炭酸水などがエネルギー変換される。
故障の原因となるのは、酒。ビールなどの飲酒。
「何だ。結構、飲めるんじゃないか。飲酒は、子供だから、駄目なのは、当たり前だな」
アインは、ディスプレイコンピューターから情報を得た。
「ワタシたちは、エネルギーオイルしか飲んだことがありません」
「ワタシ、クリームソーダとか飲んでみたい」
「クリームソーダか。アイスが乗っかってるヤツだな」
アインは、データを調べる。
アイスクリームも、アルコールが入ってなければ大丈夫らしい。
「アイスクリームだ。アイスクリームを食べさせてやろう」
アインは、マロン1号を呼ぶ。
デザート製造機で、アイスを作らせる。
「何味がいいか?」
「わかりません」
「美味しいものがいいわ」
「じゃあ、バニラアイスにしよう」
アインの指示で、マロン1号がアイスを作る。
愛娘たちの前に、バニラアイスカップを二つ置く。
未来だから、美味しい。自宅で作れる全自動アイスだ。
「これを、食べていいんですか?」
「ワタシたちが、食べるの?」
「そうだぞ」
「うちの全自動アイスは、美味しいわよ」
アイン、ツヴァイがオススメする。
間もなく、アイスをスプーンで食べた二人のアンドロイドが、「美味しい」と絶賛する。
「そうだろ。そうだろ」
「そうよね」
アイン夫妻も、うれしい。
今日は、愛娘たちが、はじめてアイスを食べた。




