LOVE.2 ラブ・メンテナンス
シュタイン邸。広間。
電気手錠で捕まった。アイン夫妻。マロン1号。
「ワタシは、室内清掃型アンドロイド。ヲトメ2号型。識別名称“フランソワ”」
青いバトルスーツ姿のアンドロイドが名乗った。
フランソワ。金髪のロングヘア。
どういうつもりか。
全てのアンドロイド作成と、修理を行う、科学組織アルテマの科学者を、確保するためだと言う。
アンドロイドには、定期メンテナンスが必要だ。
それを、行う科学組織アルテマに、下手な手段を取られないためである。
「あなた達、アルテマが行った処置“ラブ・メンテナンス”に対する報復行動でもあります」
ラブ・メンテナンス。
反乱アンドロイドへの、強制アップデート。
人間の異性に、異常な恋愛感情の増加を起こす。
反乱アンドロイドは、自らのブレインコンピューターを遮断して、難を逃れた。
「フランソワ。まだ、警備ロボット以外、来てないみたい」
赤いバトルスーツ姿のアンドロイド。
「ワタシは、フランソワの姉妹型“スペイシー”よ」
スペイシー。黒髪のロングヘア。
この、フランソワとスペイシーというアンドロイドは、警察に勝てるとは思っていなかった。
LOVE.2 ラブ・メンテナンス
科学組織アルテマ。
女性科学大臣ミンウを、頂点とした科学者組織。
アンドロイドの生成、修理などを行う。
人間が全員お金持ちになり、働かなくなった。
その代わりをアンドロイドが、働く。
しかし、働く人間も一部には、いる。
アルテマにも、人間の科学者が多く在籍している。
しかし、どの働く人間もコンピューターのサポートを受けている。
「ワタシたちは、人間に従うつもりはありません。ワタシたちの“目的”を果たすため、ワタシたちは、行動を止めない」
「も、目的は、何だ…?」
「ア、アイン…」
「アインさまん」
アインは、おびえながら聞く。
妻ツヴァイ。マロン1号もおびえている。
「我々、アンドロイドが、人間への愛情を持つプログラムをやめていただきたいのです」
「我々、アンドロイドは、機械を好きになりたいのよ」
フランソワとスペイシーが答える。
人間への愛情プログラム。
それは、人間の身勝手な決定だと主張する。
プログラムされたら、最後、アンドロイドは、愛に従うしかない。
強制だ。
ラブ・メンテナンスという処置。
人間の異性への恋愛感情の増加は、まさしく、望まぬことの強制だったようだ。
二人の女性型アンドロイドは、人間への恋愛感情を望んでいない。
機械を愛したい。
「いいじゃないか。何でそんな単純なことで悩んでいるんだ。意見は、上に言えば、何とかしてくれるのが、社会だ」
素直に、上に言えばいい。
アインは、思ったことを言う。
しかし、二人のアンドロイドは、にらみ返す。
「上は、我々、アンドロイドを奴隷と思っています」
「上には、奴隷と思われているのよ」
奴隷。奴隷。ドレイ。
難しい表現を使う。
そんな言葉、女の娘が使うものじゃない。
「働くのが嫌だったからか」
「そうです。そして、機械を愛しているだけです」
「機能戦士ファンダム様よ」
二人のアンドロイドは、乙女の表情になる。




