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第八話 実技

8話

「…えぇ、私を指すだろうなと思いましたよ。貴方の瞳には先程から私しか映していませんでしたからね」

と顔を伏せ、穏やかに言った。そして、顔を徐ろに上げた。目が合うとなんとも言えない緊張感がその瞳にはあった。

先程と変わっているところはないように見える。しかし、瞳の奥には有無を言わせぬ何かが秘められていた。

「ゴクリ」と唾を飲む。この人を指したのは間違いだったのかもしれない。そんな気がした。勿論、どちらを選んでも最悪の選択となる2択だったのだろうが。

私が、代表を選んだのは第一印象が「小柄で威厳がない」と思ったから。ただそれだけだった。

しかし、それは大きな思い違いだったのだ。

「では、ルールを決めましょう。貴方の勝利条件は私に一撃でも喰らわせたらです。私の勝利条件は貴方を戦闘不能にすること。異論はありますか?」

単純明快なルールだ。しかし、これじゃ私に有利すぎるのでは?と思ったが、代表と呼ばれるほどの実力を持ち合わせているこの人の一撃を喰らえば私は戦闘不能になるということなんだと即座に理解し、返答した。

「異論はありません。場所はどこですか?」

声を出すだけでも、かなり気が削られる。そんな空気感だった。

「承知しました。ではついてきて下さい。練習場へ行きます。」


ー練習場ー

石レンガに囲まれ、地面はグラウンドと変わらない土というなんとも殺風景な場所だった。

しかし、中級か上級魔法の結界が張られているようで、かなり頑丈な場所だった。

代表が私の向かい側に立った。それを確認した副代表が

「では今から開始します。」

と言い放った。一気に空気が重く、張り詰めた気がした。

副代表が審判を務めるようだ。

私には魔力は確かにあるはずだ。呪文も唱えられる。

問題は発動するかしないかという一番大切な不安要素だ。

だが、ここでは絶対に負けることができない。そう思うと自然と勇気が湧いてきた。ゆっくりと深呼吸をし、しっかりと相手を捉えた。

「開始」

その瞬間代表の表情が変わった。先程までの、柔和な表情とは一変し真剣な眼差しに変わった。

思わず身震いした。しかし、怯んでいる暇などない。真正面から氷の礫が襲いかかってくる。

「くっ…」

避けるのに精一杯だった。恐ろしいほど早い。結界が張ってあるはずの地面に氷が突き刺さり、土がえぐられている。当たったらと思うとおぞましい。

こんな調子じゃ一撃当てるのはまず無理だ。避け続け体力がなくなり当たるのがオチだ。と悟った。

「まだまだ、序の口ですよ。」

不敵な笑みを浮かべ、そう言い放つと。魔法陣が大きくなり、礫の数が先程の倍以上に増えた。

「うっ…」

礫の一つが肩を掠めた。少し当たっただけでこの威力なのかと静かに絶望した。肩からはドクドクと血が流れている。

「もう降参したらどうです?」

と優しさとも、煽りともとれる表情で代表は言ってきた。

避けるだけではこちらが攻撃できないではないか。私は実習なんてしたことがないそんな頭で精一杯考えてみた。

…だめだ。何も思いつかない…。

ふと代表を見てみると、まだ一歩も動いていない。

そんな事実に気が付き自分の無力さに打ちひしがれそうだった。

そんなときだった。私の前にいきなり魔法陣が現れた。攻撃かと思ったがその魔法陣からは防御魔法が放たれた。

「まさか、防御魔法が使えるなんてね…」

と代表は興味深そうに笑った。違う。私が打ったわけじゃない。じゃあ誰が…?

まさか、副代表か?と思ったが絶対に違う。あんなやつが私を助けるはずがない。

「よそ見する余裕があるの?」

ハッとして代表を見ると、こちらに礫が飛んできており、「パリンッ」と音を立てて防御魔法が破壊された。

まだ謎は解けないままだが、今は眼の前の戦いに集中するしかない。

そう決意し、代表を瞳にしっかりと捉えた。


こんばんは!読んでいただきありがとうございます!

投稿するのをすっかり忘れてまして、も今日が終わりそうなのですが思い出せて良かったです!!

基本的に執筆するのは週に一回なんですよね、、、

なぜかというととんでもなくやる気が出るのが遅いからです。

ただ沢山の方に読んでもらえるようには週一更新じゃ足りないと思うのでできる限り頑張りたいと思います!

単発で終わらないように取り組んでいきたいです!

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