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第五話 不思議な生き物

5話

なぜれいながいるのか分からないが、あまり絡まれても時間がなくなるだけ。だから穏便に済ませようと挨拶だけして去ろうとした。

「おはよう。早いんだね?」

「勘違いしないで?私は貴方と違って話を聞いたうえで早く来てるんだから。」

挨拶しただけで苛つかせることができるなんて、いちいち余計な一言が多いんだこの女。

仲良くできるかもしれないと思っていた私が馬鹿だった。

そう思い、無視して本棚で魔導書を探していた。

「まさかこんな短時間で探知魔法を覚えるつもり?あまりにも無謀じゃない?」

気がつくと耳元で声がした。

「っ…!?」いつの間にこんなに距離を詰められていたんだ。

驚きすぎると声が出ないものなのかと思いながら後退りをした。

「ね?貴方は初級魔法すら使えないのに、中級魔法の探知が使えると思ってるの?」と確かに使えなかったがあれはタイミングが悪かっただけだと自分に言い聞かせた。

「だから何?魔法には向き不向きがあるんでしょ?」出来る限りの言葉で言い返した。

すると、予想外だったのかれいなの瞳が固まり、一気に顔が険しくなった。先程の軽い声色とは違い「まだ感情の制御ができないの?」と語気を強めて言ってきた。思わず息を呑んでしまった。「なんのこと」と言い掛ける間もなくれいなが魔法石を私目掛けて投げつけてきた。しかし、れいなの視線は私の後ろを見ている気がした。

退避の姿勢を取ろうとしたとき「避けないで!」とれいなに睨まれ動けなかった。「パリンッ」と音を立てて魔法石が割れ、私の周りには結界が張り巡らされていた。「なんでこんなことを?」私は状況が掴めず苛立ちと不安をれいなにぶつけた。「説明はあと。心を落ち着かせる本でも見つければ?」とだけ言い残し去っていった。

自分が何をしに来たのか忘れ、しばらくその場で立ち尽くしていた。

ふと床を見てみると自分の影が異様に長いことに気が付いた。その影を見た瞬間背筋が凍った。ナニカと目があったようなそんな不快感に襲われた。

恐る恐る後ろを振り返ってみると、黒い魔力の煙のようなものが揺らめいていた。なにこれと思い触れてみると、酷い頭痛と共に気を失ってしまった。


夢の中だろうか、視界が曇っている。この光景は見覚えがある。入学初日にみたところだ。夢とは思えないくらいに空気が重く、鼻を刺すような感じがする。空気が重く冷たい感じに身震いする。

ただあの夢とは違うところがいくつかあった。まず、今私がいる空間には何もなかったのだ。

そして、「こんにちはお嬢様。ここに来られたということは覚悟がお決まりになられたということですね!」と目を輝かせながら跳ねている奇妙な生物がいるということ。丸っこい体に、龍のような角と尻尾。コウモリのような黒い羽。そして深い紅色の瞳。まるでキメラのようなみかけだ。

「あなたは何なの?ここはどこ?」この生物に聞き解決できるとは思えないが聞くことにした。

「ここはお嬢様のお部屋ですよ!そして私めは貴方のお供です!」とニコニコしながら言うものだから呆れてものも言えない。

「こんな何もないところが?冗談でしょ?早くここから出して。」

「えぇ、、私はこのお部屋の管理人じゃないからどうこうできませんよ?お嬢様が出たいと思えば出れるんじゃないですか?」

なんて大雑把なんだ。これで仮にも私のお供を名乗るなんて、と落胆していると。部屋が揺れる感覚がした。いや違う、私が揺れているのか。「あー、現実で誰かに揺らされてるんじゃないですか?」なるほど、ならあの結界が解けたのか。「どうやって起きればいいの?」「起きたいと願えば多分出れますよ。」適当な返事だったが頼れるものがないから一応言われた通りにしてみた。

疑心暗鬼だったが次に目を開けたときには図書室に戻っていた。

そして私の顔を覗き込む二人の人影が見えた。

先程の空間と生物は何だったのか考える暇もなかった。

「大丈夫?ずっと目が覚めないから心配したよ。」あの時助けてくれた、アイスブルーの美しい瞳が私を見ていた。

「ありがとうございます。えーっと、その…」

この状況をどう説明しようか思考を巡らせてみたがどう考えても説明できることじゃない。すると、それを察したのか「気にしないで。私達は尋問をしようと思ってるわけじゃないから。」と優しく微笑みかけてくれた。私達…?

その言葉に違和感を覚え、視線を横へ向けた。空気が一気に張り詰めた気がした。バチッと目があってしまった。警戒するようにジッと私を睨んでいる男の子の月のように儚く深い金色の瞳と。


書きだめしててよかったと思います!一話から筆をのせて五話まで書けて良かったなと思います!

次の展開をかなり考えられるような終わり方ができたと思います!

個人的にはお気に入りの引き方になります!!

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