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爆炎のサガ  作者: 大和奏時
勝利の命題{1×1=2-1=1+0}

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勝者こそ正義

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

 西暦せいれきがつ14にち)ルヴォア伯爵はくしゃくじょうおお広間ひろま』AM10:00――



 きゅうごしらえの玉座ぎょくざには、しぶとくのこっていた『げん伯爵ボドワン』が、図々(ずうずう)しくすわっていました。また、大広間の入口いりぐち付近ふきんには、令嬢れいじょうパスカルと戦士せんしカルロが、二人ふたりっきりでおとずれています。


 やがて、パスカルは、ボドワンのちかくまで、一人ひとりで、あゆります。

 ですが、いまのところ、ボドワンには、パスカルへの害意がいい敵意てきいもありません。


 こうして、ボドワンと、パスカルによる交渉こうしょうはじまりました。

 まず、ボドワンが、パスカルにげます。


わたしは、魔王まおうアブリールの復活ふっかつを、こしてしまった。

 ――しかし、貴方きほうらは、その魔王の討伐とうばつを、見事みごとげてみせた。

 ってのとおり、このウディノ帝国ていこくでは、勝者しょうしゃこそ正義せいぎ‥‥

 私は、自分じぶんが、敗者はいしゃでしかないと、みとめることとする」


いさぎよいですね。では、これより、わたしが、ルヴォア伯爵()当主とうしゅです!」


 パスカルが、そう宣言せんげんしました。

 ちなみに、この交渉‥‥すんなりと、すすんでいるかのようにおもえますが、じつは、口裏くちうらあわせみの演技えんぎです。



 そもそも、貴族きぞくはないが、うら工作こうさくなしですすむことなど可能かのうです。

 ところが、しん伯爵パスカルが、叔父おじボドワンに告げます。


「それと、わたしは、貴方あなたゆるします」

「なっ、それは、わせには!」


「おしずかに‥‥

 ――貴方は、統治中とうちちゅうたぐいまれなる才覚さいかくしめしました。

 だから、わたしの従配偶者コンソートになりなさい!

 そのために、しつを、えてもらいます」


「なんと! それは、よろこばしいのだが、血の質を、変えるなど可能なのか?」


「可能です。それで、カルロさま!」


 パスカルが、カルロに合図あいずすると、かれは、大きなオーブンのようなカプセルを、魔法収納ストレージから出現しゅつげんさせました。

 ボドワンが、パスカルにいます。


「あれは?」

遺伝いでん更新こうしん装置そうち。わたしに、子供こどもを、はらませるためのものです」


 パスカルは、じらいながら、そうこたえました。

 その、ボドワンは、素直すなおに、カルロの指示しじしたがい、遺伝子更新装置のなかはいり、装置が作動さどうされました。



 装置の作動(ちゅう)、パスカルとカルロは、ならっています。

 パスカルが、カルロに問います。


「わたしが、こいうらみよりも、政治せいじ権力けんりょくえらおんなで、幻滅げんめつしましたか?」

「していない。それどころか、つよ女性じょせいは、だいきだ!」


 本音ほんねで、カルロは、そう答えました。

 しばらく、二人は、さわやかに、わらい合いました。


 まもなく、遺伝子更新がわり、ボドワンが、装置からました。

 ボドワンが、宣言します。


「私は、血を刷新さっしんして、貴族きぞく血統けっとうとはえなくなった。

 ――それと、じゅう配偶はいぐうしゃはなしは、白紙はくしにしていただきたい。

 それでも、私は、伯爵パスカルに、忠誠ちゅうせいちかう。

 何故なぜなら、自分の才覚をみとめられたとき、純粋じゅんすいうれしかったからだ!」


 そう宣言して、ボドワンは、満面まんめんみをかべました。

 もはや、ボドワンは、伯爵パスカルの忠実ちゅうじつなるしもべです。



 これにて、ルヴォア伯爵(りょう)騒動そうどうは、見事、円満えんまん解決かいけつしました。

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

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