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爆炎のサガ  作者: 大和奏時
美しい森と湖

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壊された馬車

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

 西暦《せいれき》2200年《ねん》6月《がつ》3日《にち》(火《か》)AM6:00、とある湖畔《こはん》――



 サガたちは、異《い》世界《せかい》通販《つうはん》で『【朝《あさ》の定番《ていばん》】夜《よ》明《あ》けの懐石《かいせき》定食《ていしょく》』を購入《こうにゅう》し、ポータブル電子《でんし》レンジで『チン♪』して食《た》べます。


 その後《ご》は、サガ(ハイエルフ女性《じょせい》)が、愛犬《あいけん》ワンダ(バイオAI(エーアイ)オス型《がた》)を、補助収納《スロット》に格納《かくのう》して、出発《しゅっぱつ》の準備《じゅんび》が整《ととの》いました。



 そうして、レーヌ街道《かいどう》を、各自《かくじ》、馬《うま》で移動《いどう》していると‥‥前方《ぜんぽう》に、馬車《ばしゃ》か何《なに》かの残骸《ざんがい》があります。近《ちか》寄《よ》ると、それは、ジャンヌたちの幌《ほろ》馬車でした。

 しかも、積《つ》み荷《に》と馬《うま》は、全《すべ》て奪《うば》われ‥‥近《ちか》くには、ジャンヌの父親《ちちおや》『マルタン』の死体《したい》があります。


 兎《と》にも角《かく》にも、野戦士《レンジャー》ルイが、マルタンの亡骸《なきがら》を、死体袋(ぶくろ)に入《い》れて、魔法収納《ストレージ》に収納《しゅうのう》しました。

 サガが、戦士《せんし》カルロに言《い》います。


「ジャンヌの死体が無《な》い、逃《に》げられたのかな?」

「いや、奴隷《どれい》として、捕《つか》まったかもな!」


 サガも、カルロも、心配《しんぱい》そうです。

 ところが、ルイが告《つ》げます。


「野盗《やとう》らしき足跡《そくせき》に、女性の足跡《あしあと》が混《ま》じってる。

 この様子《ようす》だと、一緒《いっしょ》に、連《つ》れていかれたみたいだ!」


「女性の足跡を、魔法《まほう》で『鑑定《かんてい》』します。

 間《ま》違《ちが》いなく、ジャンヌの足跡です!」


 魔道《まどう》士《し》ハインツまでもが、悲劇《ひげき》を裏《うら》付《づ》けました。

 足跡は、森《もり》の方向《ほうこう》へと、続《つづ》いています。



 サガたちは、森までは、騎乗《きじょう》して向《む》かいました。しかし、ここからは、馬での移動に無理《むり》があります。仕方《しかた》なく、一行《いっこう》は、馬を放棄《ほうき》しました。

 これからは、徒歩《とほ》での移動です。それから、サガは、愛犬ワンダを、補助《ほじょ》収納《しゅうのう》から出《だ》しています。


 サガたち(彼女《かのじょ》と人間《にんげん》男性《だんせい》3名《めい》と犬《いぬ》1匹《ぴき》)は、野盗の痕跡《こんせき》を辿《たど》りつつも、ジャンヌのことを心配《しんぱい》しながら、森を進《すす》んで行《ゆ》きました。

 ほどなく、サガが呟《つぶや》きます。


「ジャンヌ、無事《ぶじ》だと良《い》いけど‥‥」


「命《いのち》だけは、無事でしょうね」(ハインツ)

「けど、犯《おか》されてるかも?」(ルイ)

「大丈夫《だいじょうぶ》だ。街道の近《ちか》くでは、そんな暇《ひま》など無《な》いからな」(カルロ)


「それでも、急《いそ》がないと」


 サガは、怒《いか》り混《ま》じりの真剣《しんけん》な表情《ひょうじょう》です。

 しかし、しばらく進んでも、森は静寂《せいじゃく》で、野盗の気配《けはい》など感《かん》じられません。



 森は、深《ふか》さを増《ま》して行きます。徐々(じょじょ)に、木樹《きぎ》が、覆《おお》い茂《しげ》って来《き》ました。

 やがて、サガが、苛《いら》立《だ》ちながら呟きます。


「ジャンヌが犯される前《まえ》に、助《たす》けなきゃ‥‥」


「大丈夫です。彼女には、純潔《じゅんけつ》のネックレスがあります」(ハインツ)

「そうだよ。だから、大丈夫だよ」(ルイ)

「ああ、絶対《ぜったい》に、無事なはずだ」(カルロ)


「だけど、1分(いっぷん)でも、1秒《びょう》でも早《はや》く、見《み》つけるから」


 サガは、焦《あせ》りながらも、冷静《れいせい》さを保《たも》とうとしています。

 けれども、森には、今《いま》のところ、足跡以外(いがい)の手《て》掛《が》かりがありません。



 それでも、サガたちは、諦《あきら》めることなく、森の中《なか》を進んで行きます。

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

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