情念の継承者
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato
先ほど、サガ(ハイエルフ処女)と人間男性3人の冒険者パーティーは、1妻3夫(複数男性結婚)の婚約をしました。
取敢えず、彼女たちは、街『ベルファスト』に帰ることにします。
とは言え、街に到着すると、夕暮れを迎えていたので、サガたち一行は、宿屋に泊まる事にしました。
宿屋では、サガたち4名は、同じ部屋を取りました。
これで、サガと男性3名(カルロ、ルイ、ハインツ)が、ゆったりと寛げます。すると、カルロ(戦士)が、提案をします。
「実は、俺たちが住める家に、心当たりがある。ハインツとルイも知っている『例の家』なんだが、幽霊屋敷なんだ‥‥」
「えっ、なにそれ?」
サガ(剣舞士)が、そう言って、表情をしかめると、ハインツ(魔道士)とルイ(野戦士)が訂正します。
「そんな風に言うと、執事くんに、叱られますよ」
「いちおう、エドウィンさんは、自称『聖霊』さまだから」
それを聞いて、サガの表情が和らぎました。
カルロは、続けます。
「なあ、サガちゃん、淫乱ロマーヌの伝説って、知ってるか?」
「覚えてる。勇者のロマーヌさんよね? 子供のころ、遊んでもらったから‥‥優しい綺麗な人だよ!」
「なっ?」「なんと!」「そうなんだ!」
サガ(ハイエルフ180才、見た目は18才)の返答に、カルロ(19才)や、ハインツ(20才)とルイ(18才)が驚きました。
ともあれ、カルロが続けます。
「実はな、俺たち3人は、ロマーヌの子孫なんだ」
「そっか、なんか嬉しい!」
そう言う、サガは、楽しそうですが、男たち3人は、複雑な表情です。
何故なら、勇者ロマーヌ(人間女性)は、男性関係がもとで、あまり評判が良くないのです。それもその筈で、カルロは、ロマーヌの最初の夫の玄孫で、ハインツが3番目の夫の孫、ルイに至っては、6番目の夫の曽孫です。
もっとも、勇者ロマーヌの夫は、全員が、勇者パーティーの一員で、夫の序列も、勇者を妊娠させた順番なのです。
尚、この国『クレジットワース(名誉の価値の意)』が、一妻多夫制を許しているのも、かつてのロマーヌの所業が原因です。ちなみに、執事の聖霊エドウィンは、元・聖騎士で、勇者ロマーヌの2番目の夫でした。
ところが、その頃、件の『ロマーヌの館』に、来訪者がいました。
それは、勇者ロマーヌと執事エドウィンの娘『聖騎士アリス』です。
聖騎士アリス(人間女性)は、見た目は17才ですが、純潔の誓いによる不老不死の真正処女で、実年令は77才となります。ただし、アリスは、絶世の美少女なのですが、はっきり言って、お婆ちゃん扱いしてしまう年令です。
早速、執事の聖霊エドウィンが、アリスを出迎えます。
「どうした、不肖の『我が娘』よ? またも、寄進で無一文であろう!」
「その通りだ」
アリスは、無表情で応えました。
エドウィンが、訊ねます。
「それで、今度は、いつまで暮らすつもりなのだ?」
「ここに、住むことにした」
「そうか‥‥ロマーヌも、喜ぶことだろう」
アリスの答えに、エドウィンは、和やかな表情です。
こうして、聖騎士アリスが、あっさりと、この館の主となりました。
けれども、サガたち4人も、明日には、ここを訪れるつもり‥‥ですが?
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato




