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爆炎のサガ  作者: 大和奏時
破滅の人形

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ひつまぶし

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

 西暦《せいれき》世界《せかい》、27日《にち》、PM4:00、駒形《こまがた》1(いっ)丁目《ちょうめ》、ホビーサロン隅田《すみだ》本舗《ほんぽ》――



 山里《やまざと》春日《はるひ》は、通称《つうしょう》『ちょんの間《ま》』の風呂《ふろ》場《ば》で、全裸《ぜんら》で気絶《きぜつ》したまま、2時間《じかん》も放置《ほうち》されていました。

 おかげで、彼女《かのじょ》は、泣《な》きながら、サガに言《い》います。


「もう、お嫁《よめ》に行《い》けない‥‥」

「行かなきゃ良《い》いじゃない?」


「そこは、嫁にもらってやるとか、なんとか!」

「お見《み》合《あ》いでもしなさい♪」


 春日は、恨《うら》めしそうに、サガを睨《にら》みながら、むくれています。

 サガは、そんな春日の頭《あたま》を、ぐしゃぐしゃと、雑《ざつ》に撫《な》でて慰《なぐさ》めました。



 PM6:00、夕食《ゆうしょく》は、春日(愛知《あいち》県《けん》出身《しゅっしん》)の提案《ていあん》で、名古屋《なごや》から出前《でまえ》を取《と》ることが決《き》まりました。

 時《とき》は、西暦2200年、浅草《あさくさ》からでも、名古屋の出前が取れるのです。


 その献立《こんだて》は、ありた連峰《れんぽう》亭《てい》の『ひつまぶし』です。

 やがて、出前が届《とど》き、4人《にん》が、一斉《いっせい》に食《た》べ始《はじ》めます。


「「「「いただきます!」」」」


 まず、春日は、みそ汁《しる》を口《くち》にします。優《やさ》しい風味《ふうみ》が、口の中《なか》に拡《ひろ》がります。

 次《つぎ》に、うなぎ飯《めし》を、自分《じぶん》の御《お》櫃《ひつ》から御飯《ごはん》茶碗《ぢゃわん》に装《よそ》って、本来《ほんらい》の味《あじ》を愉《たの》しみました。香《こう》ばしく、うなぎの脂《あぶら》が旨味《うまみ》となり、食欲《しょくよく》を満《み》たして行《ゆ》きます。


 それから、やっと、薬味《やくみ》のネギを、うなぎ飯に乗《の》せて、出汁《だし》を掛《か》けました。

 それは、さらさらとした食感《しょっかん》が、なんとも言えない美味《おい》しさです。



 ところが、江戸《えど》っ子《こ》3人‥‥ハイエルフ美女《びじょ》のサガ、源之介《げんのすけ》、店長《てんちょう》の竹雄《たけお》は、御櫃の『うなぎ飯』に、薬味を全《ぜん》種類《しゅるい》全部《ぜんぶ》を乗せて、直接《ちょくせつ》出汁を掛けて食べています。しかも、3人とも、御飯茶碗には、並々(なみなみ)と、お茶《ちゃ》を注《そそ》いでいました。

 サガが、源之介に言います。


「汁《しる》っぽい、うなぎだね?」

「まあ、本場《ほんば》じゃないしな‥‥」


「質《しつ》より、量《りょう》って感《かん》じだな!」


 竹雄も、二人《ふたり》に続《つづ》いて、発言《はつげん》しました。

 これに、春日が、ブチ切《き》れます。


「みなさんには、風情《ふぜい》って物《もの》が、無《な》いんですか!」

「風情なら、名古屋には、負《ま》けないぜっ♪」


「おうよ、風情と言えば、江戸のもんだからな」

「食べてる最中《さいちゅう》に、風情だなんて‥‥花《はな》より団子《だんご》でしょ?」


 春日の前《まえ》に、野蛮《やばん》人《じん》ゴリラが、3人も居《い》ました。

 春日は、東京《とうきょう》の真実《しんじつ》を、目《ま》の当《あ》たりにしています。



 やがて、江戸っ子3人は、春日よりも早《はや》く、ひつまぶしを平《たい》らげました。


「「「ごちそうさま!」」」

「ううっ‥‥」


 何故《なぜ》か、春日が、悔《くや》しそうにしています。

 しばらくして、竹雄が、サガに聞《き》きます。


「ところで、デザバト日本《にほん》大会《たいかい》まで、何《なに》をするつもりだ?」

「ん‥‥ひまつぶしに、ファンタジア世界で、ギルドクエストかも?」


「それ、なんか、ファンタジーっぽいな!」


 源之介が、そう口を挟《はさ》みました。

 取《とり》敢《あ》えず、3人は、御飯茶碗に注いだ、お茶を飲《の》んでいます。



 どうやら、サガは、ひまつぶし以外《いがい》には、特《とく》に予定《よてい》が無いようです。

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

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