白馬通りの怪音
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato
西暦2200年5月26日(月)ファンタジア世界、PM11:00、満月の下、要塞都市ベルファストの白馬通り――
このとき、白馬通りでは、妖しい人形が跋扈していました。その人形どもは、人型の『白い芸術作品』のような外見をしています。
妖しい人形どもは、怪しい音色を響かせ、白馬通りを破壊しながら、避難する人たちをも襲っていました。
やがて、白馬通りに、爆音が響きます。それは、ホバーバイク『SGストライダー』のエンジン音です。
程無くして、ハイエルフ美女のサガが、登場しました。彼女は、タイトワンピース姿で、颯爽と髪を、なびかせています。
到着後、サガは、ホバーバイクから、素早く降りながら言います。
「白馬通りって、呪われてるの?
ともかく‥‥変身!」
次の瞬間、サガは、サイバーゴーグルを着け、全裸の恥部を『ひかり効果』だけで隠し、四肢は金属機械の義肢と言う姿に変わりました。
そして、下腹部の『純潔紋』が輝き、システム音声が響き渡ります。
『爆炎のサガ、Enter!』
斯くして、凄艶なるスーパーヒーローが、光臨しました。
途端に、妖しい人形どもが、爆炎のサガに襲い掛かります。
もちろん、サガは、艶やかに舞うごとく、機械の腕を振るいながら、艶めかしく踊るように、金属の脚を繰り出して行きます。
そうした、サガの華麗なる舞踏技で、妖しい人形どもが、次々と、音を立てて、破壊されて行きました。
ところが、サガが、妖しい人形のうち十数体を、打ち砕いたとき‥‥冷たい光と共に、純白の美術作品『美しき人型』が出現します。
どうやら、こいつが、親玉のようです。
美しき人型は、その動作に合わせて、オルゴール音らしきを響かせながら、サガに迫ります。おまけに、この人型の出現で、妖しい人形どもの能力が、激増しています。美しき人型が、告げます。
「不浄なる動体どもと、汚らしい造形物を破壊する!」
「汚らしいって‥‥まさか、わたしじゃないよね!」
そう言いながら、サガは、機械の拳で、美しき人型を、ぶん殴りました。しかし、殴っても、美しき人型には、ヒビどころか、キズすら付きません。
それで、しばらく、サガと、美しき人型や、妖しい人形どもとの格闘戦が、続きますが、戦況は、わずかに、サガが不利です。
それでも、徐々に、妖しい人形どもの数が減って行きます。また、美しい人型の表面にも、次第に、ひび割れが出来て行きます。
やがて、サガに余裕が生まれて、彼女は、跳躍し、飛蹴り体勢を取ります。
『ダイナマイト・インパクトォーッ!』
システム音声の轟きと同時に、サガの飛蹴りが、美しき人型の頭部に命中して、かの人型の体が、砕け散るよう、粉々に崩れ落ちました。
されども、途端に、その破片の中から、冷たい輝きと共に、巨大なる美しき異形が出現します。
美しき異形が、告げます。
「もはや、矮小なる造形物など、静寂と化した我の敵ではない!」
「うるさくて、デカい的ね‥‥
夢にて心を騙さず、愛を以って言葉を偽らず。
ときめき宿し、きらめけ爆炎、ダイナマイト・フィンガァーッ!」
サガの語り叫びと同時に、サガの手の平から、空間圧縮されたマナが、灼熱を纏って放射されます。
すぐさまと、美しき異形の中央が、大きな手の平の形に、撃ち抜かれて‥‥かの異形が、叫びます。
「なんだ、この過ぎたる力は‥‥馬鹿なぁーっ!」
「黙って、滅びろ‥‥
ブラスト・フィニッシュ!」
サガの宣言で、美しき異形は、内側から溢れ出す爆炎で、粉々になりながら消滅して行きました。ほどなく、サガの側のシステム音声が響きます。
『コンプリート』
爆炎のサガが、勝利したのです。
このとき、夜空には、綺麗な満月の光がありました。
こうして、白馬通りに、きらめく夜の安らぎが、取り戻されました。
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato




