浅草名物
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato
西暦世界、26日、PM1:00、駒形1丁目、ホビーサロン隅田本舗――
サガたちは、外食での『行列待ち30分以上』を避けるため、昼食を老舗デリバリーの『玉子丼』で済ませました。
と言っても、デリバリー食品は、手作りでは無く、3Dコピーされた物なので、風情が無いと言えば、その通りです。
そしていまは、デザートとして、2200年の浅草名物『うなせん』を、抹茶シェイクと一緒に、味わっています。
ちなみに、うなせんとは、うなぎの蒲焼と御飯を、せんべいで挟んだB級グルメで、1枚800円もします。そのため、実のところ、浅草以外では『見かける訳がない』とさえ言われる、幻の高級珍味と化しています。
さておき、サガ(ハイエルフ美女)と源之介は、午前中からの約束通り、デザバトことデザインバトルで、対戦する事となりました。
そこで、二人は、プロジェクタを挟んで、向かい合います。すると、仮想マップや、マップ内の光景『世界樹の森』が、空中にウインドウ投影されました。
そうして、二人は、お互いに、自分の『機体カード』を掲げます。
「「機体カード、セット!」」
二人の宣言で、機体カードが、空中に固定されました。その途端、二人の身体が、それぞれ、仮想コックピットに包まれます。
同時に、サガのアバター『サガ・ストライダー』が、仮想ハンガーAに出現しました。そのサガ・ストライダーは、全裸の胴体の恥部を『ひかり効果』だけで彩り隠し、四肢が金属機械の義肢で構成され、下腹部には処女の証『純潔紋』という、凄艶なる『機械精霊』を基本体としています。
そのうえ、サガ・ストライダーには、両肩にジェットエンジンと航空ウイングがあり、両脚にホバースラスターがありました。加えて、武装としては、右腕に搭載されたビームカノンと、左腕に搭載されたビームシールドがあります。
一方で、仮想ハンガーBには、源之介の搭乗式ロボット『ガウレガ』が、出現しました。そのガウレガは、重装甲にも関わらず、無数のバーニアでの超機動力を誇り、如何にも強そうなデザインで、赤い色をしています。また、武装としては、ビーム式アサルトライフルと大型カイトシールドです。
尚、サガ・ストライダーの全高は180センチしかなく、対するガウレガの全高は18メートルもあります。つまり、その全高比は、1:10です。
ともあれ、サガと源之介は、それぞれ、機体を発進させます。
「サガ・ストライダー、エンター!」
「ガウレガ、出る!」
こうして、空中ウインドウに、仮想ハンガーから発進する、二人の機体が映し出されます。やがて、二人の機体は、森の上空で『遠距離』対峙しました。
ところが、突如として、サガ・ストライダーに、幾条ものビームが襲って来ます。そのうちの5条が、サガ・ストライダーに命中しました。
いきなり、サガの側は、防護シールド許容量の40%の負荷です。
仕方なく、サガは、防護シールドを冷やすため、ひたすら回避行動をします。しかし、冷却は、容易ではなく、2分ほどで、被弾による負荷が、許容量の70%を越えてしまいました。正直、意外とピンチです。
そこで、サガは、源之介のガウレガを正面に見据え、左腕のビームシールドで耐えようとします。
しかし、源之介は、それを予測していて、ガウレガが、溜め撃ちの体勢をして、ビーム出力を蓄えていました。
おそらく、次の一撃で、サガ・ストライダーは、墜とされてしまいます。
けれども、サガが、語り叫びます。
「夢にて心を騙さず、愛を以って言葉を偽らず。
ときめき宿し、きらめけ爆炎、ダイナマイト・フィンガァーッ!」
次の瞬間、サガの手の平で空間圧縮されたナノマシンが、灼熱を纏って放射されました。その灼熱は、ガウレガのアサルトライフルを熔かし尽くし、さらには、ガウレガの胴体を、手の平の形に撃ち抜きました。
すかさず、サガが、宣告します。
「ブラスト・フィニッシュ!」
その宣告で、源之介のガウレガが、爆散消滅しました。
サガ・ストライダーの勝利です。
ところが、バトル終了後‥‥源之介は、凄まじく落ち込んでいます。彼は、勝利した後、サガにプロポーズするつもりでした。
挙句の果てに、源之介は、泣き出しました。それなので、お人好しのサガ(処女)は、よせば良いのに、彼を慰めようとします。
「パイズリで、良いわよね!」
「えっ‥‥ええぇーっ♡」
源之介は、嬉しそうな悲鳴を上げながら、通称『ちょんの間』なる部屋に、引きずり込まれました。
ただし、この時、サガの方は、ひたすら、恥じらい赤面をしていました。
こうして、源之介に、束の間の春が訪れました。
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato




