きらめけ爆炎、ダイナマイト・フィンガー!
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato
東京都台東区駒形1丁目、ホビーサロン隅田本舗、PM8:00――
ハイエルフの美女サガは、デザバトこと『デザインバトル』での決闘を見て、身魂を揺さぶられ、興味を持ちました。
そこで、彼女は、ネットで必要ライセンス許諾などを済ませ、デザバトへの参加資格を得て、この店で、デザバトの『ブランクカード』を購入しました。
さらには、操作対象『機体』の選択を行います。
機体には、搭乗式ロボットとプレイヤー自身『アバター』の2種類がありましたが、取敢えず、サガは、アバターの方を選択しました。
それから、アバターとして『機械精霊』を設定して、武装などのオプションを付与します。そこで、本体のコア・カーナル(頭部と胴部だけの裸体)に、金属機械の義肢を接続しました。これは、何もかも、爆炎のサガと同様です。
そうして、セットアップが終わったので、手始めに、死神桃太郎、もとい御剣桃花を、バトルに誘います。
「ねえ、桃太郎、デザバトしない?」
「‥‥桃太郎?」
「あっ‥‥御剣さん、デザバトを、やりませんか?」
「いいわよ」
桃花は、了承しましたが、桃太郎(男)呼ばわりされたので、殺気に満ち溢れていました。けれども、これで、バトル成立です。
やがて、サガと桃花は、プロジェクタ機器を挟んで向かい合います。すると、空中に、仮想マップと『砂漠のコンビナート』の光景が、映し出されました。
そこで、それぞれが宣言します。
「「機体カード、セット!」」
同時に、それぞれが、カードを取り出して、空中に固定します。結果、二人の身体が、それぞれ、仮想コックピットに包まれました。
さらに、サガと桃花は、仮想ハンガーから、仮想マップへと発進します。
「爆炎のサガ、エンター!」
「ジリエル、推して参る!」
サガのアバター(170センチ)と、桃花のロボット『銀色のジリエル』(17メートル)は、砂漠のコンビナートで対峙しました。また、今回は、上空の風が強く、地表で戦う方が有利です。
それから、サガの格好は、現実での戦闘スタイルで、両目には黒いサイバーゴーグル、胴体が全裸、ただし、恥部だけを光効果で彩り隠していて、四肢が機械義肢になっており、下腹部には処女の証『純潔紋』です。
それと、対する桃花のジリエルは、斬撃に特化した二刀流で、機体様式は、女性の鎧武者に見えます。
ところが、桃花のジリエルが、いきなり、脚部からフレシェット弾を掃射しました。これを、サガは、機敏に左右に避けました。
その隙に、ジリエルは、双刀で地表を左右に薙ぎ払い、サガを切断しようとします。しかし、サガは、後方に下がり、避けました。
すると、桃花が、言います。
「ちょこまかと、埒が明かない‥‥ならば!」
ジリエルの双刀が、煌めきと共に、輝き始めます。桃花は、力を溜めてから、サガを、広範囲の空間ごと、斬り刻むつもりです。
サガは、シリアスな表情で、考えます。
「おそらく、回避不能‥‥だったら、攻撃、あるのみ‥‥
‥‥ん、新技、ひらめいた♪
夢にて心を騙さず、愛を以って言葉を偽らず。
ときめき宿し、きらめけ爆炎、ダイナマイト・フィンガァーッ!」
「斬・響・剣ぇーん!」
サガの右手の平で、ナノマシンが圧縮され、灼熱を纏い放射されました。
ジリエルの双刀からは、無数の斬撃波動『斬響剣』が繰り出されます。
瞬時に、二つの波動は、中間で激突します。しかし、サガの灼熱は、ジリエルによる斬撃波動をブチ抜き、そのまま、ジリエルの胴体を熔かし貫きます。
それにより、桃花のジリエルの胴体には、手の平の形に巨大な穴が開いています。そのまま、サガは、右手を握り締めながら、宣告します。
「ブラスト・フィニッシュ!」
彼女の宣告で、桃花のジリエルが、爆散消滅します。
――サガの勝利です。
無論、桃花は、悔しがりますが、機体の大破による『リビドーの消耗』で、ぐったりとしています。
「なんで‥‥どうして‥‥」
「‥‥勝ったあ~♪」
「「おめでとう!」」「おめでとうございます」
一方で、サガは、勝利を、元気に喜んでいました。
周囲では、店内の観戦者たちが、初心者サガの勝利を、称えています。
こうして、爆炎のサガは、デザバトでの初陣を、弩派手な勝利で飾りました。
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato




