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爆炎のサガ  作者: 大和奏時
江戸の花

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神田鉄火隊

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

 西暦《せいれき》2200年《ねん》5月《がつ》25日《にち》(日、先負《せんぶ》)AM0:30、東京《とうきょう》神田《かんだ》駅前《えきまえ》――



 駅周辺(しゅうへん)に、悪魔《あくま》まがいの邪魔《ジャマー》どもが出現《しゅつげん》しました。現在《げんざい》、邪魔《じゃま》どもは、分散《ぶんさん》して、シャッターが降《お》りた商店《しょうてん》内《ない》や、屋内《おくない》の人間《にんげん》をも襲撃《しゅうげき》しています。


 おまけに、邪魔どもが分散しているため、ご当地《とうち》の自警《じけい》団《だん》『神田鉄火(てっか)隊《たい》』だけでは、対処《たいしょ》できません。そのため、浅草《あさくさ》剣客《けんかく》隊も、応援《おうえん》に駆《か》け付《つ》けました。


 鉄火隊と剣客隊の両《りょう》隊長《たいちょう》は、総員《そういん》20余《よ》名《めい》との連絡《れんらく》のため、神田駅前に陣《じん》取《ど》っていますが、無論《むろん》、この場所《ばしょ》でも、邪魔どもは、襲撃して来《き》ます。

 鉄火隊長の万代《よろず》平九郎《へいくろう》が、剣客隊長の滝沢《たきざわ》源之介《げんのすけ》に告《つ》げます。


「源《げん》ちゃん、ここは、広《ひろ》いから良《い》いが、他《ほか》の場所《ばしょ》じゃあ、手榴弾《てりゅうだん》が使《つか》えねえ!」

「平《へい》の字《じ》、こっちも、虎《とら》の子《こ》の『戦術《せんじゅつ》魔法《まほう》の発動《はつどう》アイテム』が役《やく》立《た》たずだ!」


 しかも、ここは、目《め》立《だ》つ場所《ばしょ》のため、邪魔どもの数《かず》が多《おお》く、二人《ふたり》の隊長は、背中《せなか》合《あ》わせで共闘《きょうとう》しています。ちなみに、鉄火隊は、銃火器《じゅうかき》が主体《しゅたい》の自警団で、剣客隊は、その名《な》の通《とお》り、刀剣《とうけん》類《るい》を主体としています。



 兎《と》にも角《かく》にも、それでも、両隊は、邪魔どもの半数《はんすう》を、撃破《げきは》しました。すると、両隊長の前に、白《しろ》い『帽子《ぼうし》にスーツ』姿《すがた》の青年《せいねん》が、現《あらわ》れます。

 平九郎が、叫《さけ》びます。


「源《げん》‥‥不《ま》味《ず》い予感《よかん》がするぜぇ!」

「俺《おれ》もだ、平九郎!」


 源之介も、相槌《あいづち》がてら、そう叫びました。

 程《ほど》なく、予想《よそう》通《どお》り‥‥白い青年の全身《ぜんしん》が、金色《こんじき》に燃《も》え上《あ》がり、王者《おうじゃ》たる『ライオン頭《あたま》の化身《アバター》』に変《か》わりました。


 いきなり、ライオン化身《けしん》に向《む》かい、源之介が爆裂《ばくれつ》魔法アイテムを投《な》げ付けてダメージを与《あた》え、平九郎がショットガンで吹《ふっ》飛《と》ばして足《あし》留《ど》めします。後《あと》は、ひたすら、それの繰《く》り返《かえ》しです。尚《なお》、化身は、ほとんどの物理《ぶつり》攻撃《こうげき》を無効《むこう》化《か》します。



 ですが、数分《すうふん》経《た》っても、埒《らち》が明《あ》きません。化身の耐久《たいきゅう》力《りょく》が凄《すさ》まじいのです。

 その時《とき》、ライオン化身の方《ほう》へと、赤《あか》いドレスを着《き》た‥‥まるで、エルフのような耳《みみ》をした美女《びじょ》が、近《ちか》付《づ》いて行《ゆ》きます。それを見《み》て、平九郎が、蒼《あお》ざめます。


「あれは‥‥敵《てき》の仲間《なかま》だよな?」

「いや、こちらの援軍《えんぐん》だ!」


 源之介の方は、そう言《い》って、不敵《ふてき》に笑《わら》います。

 赤いドレスのエルフは、ライオン化身まで、5メートルの位置《いち》で呟《つぶや》きます。


「変身《へんしん》」


 途端《とたん》に、美女は、全裸《ぜんら》の胴体《どうたい》の恥部《ちぶ》を『ひかり効果《こうか》』のみで彩《いろど》り隠《かく》し、黒《くろ》いサイバーゴーグルで目《め》を覆《おお》い、四肢《しし》が金属《きんぞく》機械《きかい》の義肢《ぎし》である姿に変わりました。

 また、艶《なま》めかしい下腹《かふく》部《ぶ》には、処女《しょじょ》の証《あかし》『純潔《じゅんけつ》紋《もん》』までもがあります。


『爆炎のサガ(ダイナマイト・サガ)、Enter(エンター)!』


 突如《とつじょ》、大《だい》音量《おんりょう》のシステム音声《おんせい》が、そう轟《とどろ》きました。

 凄艶《せいえん》なるスーパーヒーローが、登場《とうじょう》したのです。



 ところが、次《つぎ》の瞬間《しゅんかん》、ライオン化身の姿が消《き》え‥‥神速《しんそく》移動《いどう》し、爆炎《ばくえん》のサガの腰《ヒップ》を、背後《はいご》から蹴《け》り飛《と》ばしました。

 ですが、サガの身体《からだ》は、蹴《け》りでは、微動《びどう》だにしません。逆《ぎゃく》に、サガが、振《ふ》り向きざまに、ライオン化身を足《あし》払《ばら》いします。


<ギシッ、ミリィリリリッ!>


「グガァアッ!」


 ライオン化身は、左脚《ひだりあし》から異音《いおん》を発《はっ》しながら苦《くる》しみ、膝《ひざ》を突《つ》きました。その隙《すき》に、サガは、天空《てんくう》へと跳躍《ジャンプ》し、後方《こうほう》宙《ちゅう》返《がえ》りして、飛《とび》蹴《げ》りの体勢《たいせい》を取《と》ります。


『ダイナマイト・インパクトォーッ!』


 そして、再《ふたた》びの大音量のシステム音声と共《とも》に、サガの鮮《あざ》やかな飛蹴りが、ライオン化身の顔面《がんめん》に、おもいっきり命中《ヒット》しました。



 その直後《ちょくご》、ライオン化身は、麻痺《まひ》したように動《うご》かなくなり、サガは、威風《いふう》堂々(どうどう)と、化身を背後にして、ゆっくりと5メートルほど距離《きょり》を取り、宣告《せんこく》します。


「爆滅《ばくめつ》!」


 サガによる宣告で、ライオン化身の全身が燃え上がり、爆砕《ばくさい》消滅《しょうめつ》しました。しかも、化身《アバター》が消え去《さ》ると、邪魔《ジャマー》どもまでもが消滅して行きます。

 爆炎のサガの勝利《しょうり》です。


『コンプリート!』


 突然《とつぜん》、さらなるシステム音声が、そう響《ひび》き渡《わた》りました。

 勝利の舞台《ステージ》には、サガの艶《あで》やかな勇姿《ゆうし》があります。



 こうして、神田の騒乱《そうらん》は、サガの勝利で、コンプリートに治《おさ》まりました。

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

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