AIロボットは生徒会長
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato
西暦2200年5月22日(木、赤口)タワーマンション『サイバード浅草』36階、ベッドルーム――
うら若きハイエルフ美女のサガが、目覚めると、そこは、見知らぬベッドの上でした。しかも、彼女は、初めて見る部屋で、全裸です。
それも、サガが、自分が全裸だと意識できるのは、お腹に置かれた『誰かの手の温もり』が衣類を通していないからです。
「‥‥気が付いた?」
そう男性の声がしました。
それから、すぐ、その男性に、おもいきり、抱き締められました。
「心配したんだ、二日も、目を覚まさないから!
けど、よかった、会長みたいにならなくて‥‥」
そう言いながら、男性は、涙を零しました。
サガは、気恥ずかしさを感じながらも、優しい気持ちに包まれていました。何よりも、その親しげな温もりには、彼女が全裸であることを忘れさせてしまうほどの頼り甲斐がありました。
優しい温もりの中で、サガは、現状を把握します。
まず、彼女は、機械精霊モードであること、両腕両脚が皆無で『頭と胴体のみの裸体』あること、全裸なのに抱き締められていること‥‥現在、自身がアダルト人形として、起動していることです。
「‥‥!」
恥ずかしさで、サガは、全身‥‥特に、顔面を紅潮させます。彼女には、ある種のシステムトラブル時に、セーフモードがてら、アダルト人形(ISO準拠のラブドール)として機能するという、余計な仕様がありました。
一応、こっそりと、自身のステータスを確認しますが‥‥まだ、純潔処女です。ですが、そのうち使用されれば、処女を喪失してしまいます。
けれども、会話機能には、異常が無いらしく、普通の会話が出来そうです。
そこで、彼女は、男性に気持ちを伝えます。
(恥ずかしいので、抱き締めるのを、やめてくれませんか?)
「恥ずかしいけど、抱き締めて‥‥やめないでください!」
(えっ‥‥)
「ああっ♡」
発言を、エッチな方向に、自動調整されてしまいました。なので、恥ずかしさから、サガの裸身が、艶めかしい汗とかで、芳しく潤んで来ました。
それでも、男性は、優しく耳元で囁きます。
「残念だけど、俺には、好きな人がいるから‥‥」
(えっ、わたし、振られた?)
サガは、例えようのない苛立ちを感じました。しかし、男性は、サガを女性として、しばらくの間、優しく抱き締めていました。
やがて、サガは、解放されて、再びベッドに‥‥大切に、安置されました。
けれども、男性の隣りには、なんと、学校制服ブレザー姿の少女がいることに、気付きました。少女は、言います。
「マスター、その方は、ラブドール機能を有する改造人間です」
「そうなのか、生徒会長?」
「おそらく、訳あって、アダルトモードでの起動を、余儀なくされています」
「回復は、出来るのか?」
「試みます‥‥残念ながら、推定72時間は、復旧不可能です」
「‥‥そうか」
美形の男性が、心配そうにしています。それと、生徒会長なる美少女は、AIロボットのようです。
ところが、サガは、筆舌しがたい衝撃を受けていました。
なんと、学校制服ブレザーの少女こと、AIロボットの容姿は、寄りにも寄って、サガの前世『江戸前優香』なのです。
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato




