白馬通りの人形
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato
西暦2200年、ファンタジア世界、要塞都市ベルファストの白馬通り――
サガが、通りの西端に、到着すると‥‥偶然、居合わせた『聖騎士アリス』が、30余匹もの影魔どもと戦っていました。しかも、遠方には、こちらに向かう、騎士団の姿も見えています。
それなので、サガは、微かに安堵しながら呟きます。
「今回は、少しだけ、安心みたいね。けど‥‥変身!」
『爆炎のサガ、Enter!』
サガによる『変身』キーワードで、システム音声が轟きました。
同時に、サガの姿が、ほとんど全裸となり、四肢も金属製の機械義肢に変わります。しかも、下腹部には、処女の証『純潔紋』がありました。
しかしながら、爆炎のサガの全体像は、スーパーヒーローにも見えます。
ところが、サガが、一歩を踏み出すと、いきなり、転移罠がありました。
「なっ?」
サガの足元で、魔法円が出現して、彼女の姿が消え去ります。
どうやら、影魔どもと、親玉の『魔人』とは‥‥聖騎士アリスと騎士団だけで、戦わなければなりません。
次の瞬間‥‥爆炎のサガは、虚空間に居ました。
ここは、赤い月と黒い砂漠の世界です。
やがて、空間が歪み‥‥サガの前に、全高30メートルの機械巨人が出現します。しかも、機械巨人の外見は、烏賊のような頭部の醜い人型です。
サガは、ひとり呟きます。
「嫌な予感がする。こいつを、急いで撃破しないと‥‥」
そこで、サガは、補助収納を操作して、四肢を換装しました。いまや、彼女は、義腕が機関砲で、両脚には、反動を緩和する仕掛があります。
すぐさま、サガは、左右の機関砲で、機械巨人に、とにかく速射し続けます。
「撃って、撃って、撃ちまくる。何が何でも、とっとと、さっさと撃破する!」
彼女は、必死で、射撃を続けています。
何故なら、現実空間『白馬通り』のことが、心配だからです。
十数分後、現実空間では‥‥聖騎士アリスが、妖しい触手で、捕らわれの身となっていました。しかも、相手は、頭部が蛸のような醜い魔人です。
おまけに、騎士団は、全員が、魔人の魔法で、身体が殆ど麻痺していて、戦う力が残っていません。
タコ魔人が、騎士たちに告げます。
「お前たちは、これから起こることの観客として、生かしておいてやる」
そう告げると、魔人は、複数の触手で、アリスの身ぐるみを剥いで行きます。
辺りには、アリスの悔しそうな絶叫と、騎士たちの涙ながらの怒声が、虚しく響き続けました。
斯くして、悪夢にも等しい、救いのない現実では‥‥
見世物として、聖騎士アリスの裸体は、両手足に巻き付いた第1~4本目の触手で、2メートルほど持ち上げられて、大の字に磔られていました。
しかも、彼女の生肌は、嫌悪と恐怖からの汗と貧血で、テカテカと、白蝋のように光沢しています。
そのため、彼女の美しいはずの肉体は、まるで、安っぽいポルノ用品『ビニール製の空気で膨らませた人形』にも見えます。
タコ魔人は、長きに渡り、悲劇の『ビニール人形』を、第5~7本目の触手で、ぬるぬるネバネバと、玩具にしまくります。まさに、その情景は、現実でありながら、魔人の醜悪さと、行為の淫猥さとで、悪夢のように想えました。
長らくして、魔人は、タコの粘液で汚れ粘る『ビニール人形』に告げます。
「じきに、神による『純潔の加護』を、解除できるだろう。
さすれば、第8本目の触手『生殖腕』で、処女を堪能して孕ませてやる」
<バリィーッン!>
その時、天空方向の空間が、ガラスのように砕けました。
突如として、艶やかなる人影『爆炎のサガ』が、天空より降臨します。
『ダイナマイト・インパクトォーッ!』
次には、大音量のシステム音声と共に、サガの飛蹴りが、タコ魔人の頭部に、めり込みます。ちなみに、サガの四肢は、機関砲タイプではなく、格闘用の通常義肢に、降臨前までには戻っていました。
「爆滅!」
サガの雄叫びで発動した爆炎『メギドフレア』で、魔人の肉体が破裂します。
尚、メギドフレアは、効果対象を限定できます。
『コンプリート!』
再びのシステム音声の後で、魔人の破片は、灰になりながら消滅しました。
これは、サガによる、突然の勝利です。
その後、すぐに、爆炎のサガは、聖騎士アリスに駆け寄ります。
すると、アリスは、たとえ汚れた全裸のままでも、たとえ酷く衰弱していても、懸命に、サガに、思いを告げます。
「純潔を、貴女に守られた‥‥だから、貴女は、私の『お姉さま』だ‥‥」
「えっ!」
驚くサガを残して、アリスは、眠るように気を失いました。
一方で、サガは、あまりの告白に、麻痺しています。
余談ですが、アリスは、武神フローラに、純潔の誓いを立てた聖騎士です。彼女にとって、自分自身が処女であることは、死活問題なのです。
おまけに、聖騎士アリスの性癖は、女尊男卑(男勝り)の百合です。
こうして、お人好しのサガは、百合の『お姉さま』にされてしまいました。
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato




