白馬のカフェテラス
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato
西暦2200年5月11日(日)白馬通りのカフェテラスでは――
うら若きハイエルフ美女のサガは、珍しくも、カジュアルドレス姿で、ジラルド王子と打ち合わせです。ここには、仲間のルイ(男性)も同席しています。
ふと、ジラルドは、甘美なる笑みを、大げさに浮かべて、サガに言います。
「ルイ君が来ていなければ、逢引の雰囲気を醸し出して、君を揶揄えたのに」
「だから、僕も、同席させられたと思う‥‥やると、わかってるからね♪」
ルイが、そう割り入ると、サガは、頷きながら、ぼやきます。
「そうそう、本気だか冗談だかの狭間で、生殺しにされるの分かってるから」
「ははは、そうだね!」
ジラルドは、快活そうに笑いました。
その後、真面目な雰囲気で、これまた、わざとらしく語ります。
「先日の魔人の件。
‥‥密偵による、記録映像を見たけど、サガ君、なかなか、艶美だったよ。
きっと、美術デザイナーが、優秀なんだね!
まあ、冗談は、兎も角として‥‥不都合は、もみ消しておいた」
「お疲れさま!」
サガは、ぶっきら棒に、そう応えました。
それからは、それぞれで、紅茶を堪能しています。
それはそうと、今日は、やさしい日差しの爽やか天気です。
しばらくして、サガが切り出します。
「ところで、なんで、魔人が出現したんだろう?」
「魔人を呼んで、聞いてみるとか?」
「そんな話、縁起でもない!」
「このまま、話を続ければ、来るやも知れない。君は、悪運が強そうだから」
そう言って、ジラルドは、紅茶を口にしました。
すると、サガは、周囲を見渡しながら、呟きます。
「残念‥‥来ないのね」
「本気にしたのか?」
ジラルドは、サガに、軽く呆れています。
そうして、再び、それぞれで、紅茶を堪能します。
程無くすると、ジラルド王子は、サガの豊かなバストを見詰め、悪戯な笑みを浮かべつつも、サガに甘く囁くように告げます。
「ところで、君の裸体を、スケベに弄びながら、隅々まで採寸したい♡」
「いいわよ」
「ん‥‥良いのか?」
「信じてるから、性交未満は、すべて許してあげる」
「しかし、君の言葉には、母性的な暖かみがある。出産の経験があるとか?」
「わたし、処女だし、ジラルドが子供なだけ!」
サガは、ジラルドの言葉を一蹴しました。
ところが、ルイが、あわて始めます。
「ねえ、通りの向こうが、騒がしいけど‥‥嫌な予感がする!」
「そういう予感は、得てして当たるものだよ!」
ジラルドも、けわしい眼差しで、そう言います。
それから、サガが、席を外そうとします。
「ちょっと、見てくる!」
「気を付けて!」
ルイが、心配そうに、言いました。また、ジラルドは、真剣な表情です。
すぐさま、サガは、騒ぎの方向へと、駆け出しました。
斯くして、嫌な予感は、現実となり‥‥瞬く間もなく、悪夢のように、断末魔の悲鳴が上がりました。
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato




