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爆炎のサガ  作者: 大和奏時
爆炎のスーパーヒーロー

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はじまりのダイナマイト

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

 要塞《ようさい》都市《とし》ベルファスト、正午《しょうご》の荷馬車《にばしゃ》通《どお》りにて――



 この通《とお》りは、常《つね》日頃《ひごろ》ならば、商人《しょうにん》たちで賑《にぎ》わう、平和《へいわ》で安心《あんしん》な場所《ばしょ》です。

 ただし、この日《ひ》、この時《とき》は、惨劇《さんげき》に見《み》舞《ま》われます。


 言《い》うなれば『人型《ひとがた》のドブネズミ』の如《ごと》き、忌《い》まわしき魔人《フィーンド》が出現《しゅつげん》しました。

 おまけに、ネズミの魔人《まじん》は、残虐《ざんぎゃく》非道《ひどう》の悪魔《デビル》まがい『影魔《シャドウ》』どもを率《ひき》いて、殺戮《さつりく》を繰《く》り広《ひろ》げます。


 しかし、影魔《えいま》どもだけは、如何《どう》にか、街《まち》の騎士《きし》団《だん》が全滅《ぜんめつ》させました。



 ところが、魔人には、有《あ》りと或《あ》らゆる攻撃《こうげき》が効《き》きません。正確《せいかく》には、魔人の防護《ぼうご》が、騎士団の実力《じつりょく》を、はるかに上《うわ》回《まわ》っていたのです。

 けれども、後方《こうほう》から、さっそうとした声《こえ》がします。


「大丈夫《だいじょうぶ》ですか?」


 声の主《ぬし》は、エルフの『剣舞士《ソードダンサー》』女性《じょせい》で、半裸《はんら》衣装《いしょう》に双剣《そうけん》を帯剣《たいけん》しています。

 騎士団長(ちょう)が、怒《ど》鳴《な》ります。


「踊《おど》り子《こ》風情《ふぜい》の出《で》る幕《まく》では無《な》い!」


 それでも、女《おんな》剣舞《けんぶ》士《し》は、そのまま、ネズミ魔人の方《ほう》へと歩《ある》いて行《ゆ》きます。その為《ため》、騎士たちが、剣舞士を制止《せいし》しようとした、その時‥‥


「変身《へんしん》」


 エルフの剣舞士は、自身《じしん》の言葉《ことば》と共《とも》に、艶《なま》めかしいスーパーヒーローへと変《か》わりました。いまや、女エルフは、ほぼ全裸《ぜんら》で、両《りょう》腕《うで》両脚(あし)が金属《きんぞく》製《せい》の機械《きかい》義肢《ぎし》です。加《くわ》えて、下《か》腹部《ふくぶ》には、処女《しょじょ》の証《あかし》『純潔《じゅんけつ》紋《もん》』までもがあります。


『爆炎のサガ(ダイナマイト・サガ)、Enter(エンター)!』


 満《まん》を持《じ》して、謎《なぞ》のシステム音声《おんせい》が、響《ひび》き渡《わた》りました。

 一方《いっぽう》で、騎士たちは、その凄艶《せいえん》なる姿《すがた》に、愕然《がくぜん》としています。



 ところが、爆炎《ばくえん》のサガへと、ネズミ魔人が火球《かきゅう》を放《はな》ちます。

 しかし、サガは、その火球を、自身の金属製の拳《こぶし》で殴《なぐ》り、消滅《しょうめつ》させました。


 けれども、わずかの間《ま》に、魔人は、サガへと駆《か》け寄《よ》り蹴《け》りつけます。ですが、サガは、機械の腕《うで》で、魔人の脚《あし》を肘《ひじ》打《う》ちして、蹴りを躱《かわ》しました。

 この後《あと》も、格闘《かくとう》戦《せん》が続《つづ》きますが、サガの方《ほう》が優勢《ゆうせい》です。その上《うえ》、しばらくすると、魔人が疲労《ひろう》から、膝《ひざ》を地面《じめん》に着《つ》きました。


(今《いま》だ!)


 突然《とつぜん》、サガが、天空《てんくう》へと跳躍《ちょうやく》します。さらには、上空《じょうくう》3メートルから落下《らっか》して、機械の脚で『かかと落《お》とし』です。


『グラビティー・インパクトォーッ!』


 謎のシステム音声と同時《どうじ》に、サガの金属製の踵《かかと》が、魔人の頭部《とうぶ》に、鮮《あざ》やかに命中《ヒット》します。途端《とたん》に、魔人は、麻痺《まひ》して動《うご》けない有様《ありさま》です。

 サガは、振《ふ》り返《かえ》り、2メートルほど歩き、ネズミ魔人を背後《はいご》に告《つ》げます。


「爆滅《ばくめつ》」


 次《つぎ》の瞬間《しゅんかん》、魔人が、爆炎によって消滅しました。

 他方《たほう》では、騎士たちが、無言《むごん》で感動《かんどう》しています。


『コンプリート!』


 またも、謎のシステム音声です。

 斯《か》くして、爆炎のサガは、ネズミ魔人に勝利《しょうり》しました。



 余談《よだん》ですが、魔人は、戦術《せんじゅつ》級《きゅう》魔神《デーモン》が、人間《にんげん》の宿主《やどぬし》に寄生《きせい》したものです。


 後《のち》に、騎士団が、原因《げんいん》を突《つ》き止《と》めようとしましたが、数日《すうじつ》掛《か》けても、宿主が何処《どこ》の誰《だれ》だったかも、不明《ふめい》のままです。



 ともあれ、荷馬車通りの平和は、艶《あで》やかな勝利によって、取《と》り戻《もど》されました。

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

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