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爆炎のサガ  作者: 大和奏時
暮らしと冒険者

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ハイエルフの戸惑い

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

 西暦《せいれき》で5月《がつ》8日《にち》(木《もく》)ファンタジア世界《せかい》『ロマーヌの館《やかた》』地下《ちか》研究《けんきゅう》室《しつ》――



 夜《よる》になると、サガが、研究室に、怒《ど》鳴《な》り込《こ》んで来《き》ます。

 その剣幕《けんまく》は、凄《すさ》まじく、長居《ながい》していた『ジラルド(Girardo)王子《おうじ》』が驚《おどろ》いています。


 平気《へいき》‥‥なのか、彩香《あやか》博士《はかせ》は、平常《へいじょう》心《しん》です。

 すぐさま、サガ(優香《ゆうか》)は、彩香に詰問《きつもん》します。


「ママ、わたしの心《こころ》まで、改造《かいぞう》したわね!」

「してない、深層《しんそう》心理《しんり》を、AI(エーアイ)風《ふう》に教育《きょういく》しただけ♪」


「詳《くわ》しく!」

「男性《だんせい》原理《げんり》と女性《じょせい》原理に、それぞれ1兆《ちょう》回《かい》分《ぶん》の性交《セックス》データを学習《がくしゅう》させたの♡」


「‥‥どう言《い》う意味《いみ》?」


「本能《ほんのう》が、性欲《せいよく》に変《か》わるプロセスで、性的《せいてき》原理が使《つか》われるの。

 ‥‥そこを、充実《じゅうじつ》させたわけ!

 これで、優香ちゃんは、性的戸(と)惑《まど》いなんかに、悩《なや》まされ無《な》いわけね。

 だから、性欲を催《もよお》しても、ムラムラするだけで、イライラが無いのよ♪」


「そっか‥‥じゃなくて!

 なんで、わたしが、発情《はつじょう》してる前提《ぜんてい》なわけ?」


「してるでしょ?」

「ちがう! カルロの股間《こかん》を見《み》ても、いつもより、戸惑いが少《すく》ないからよ!」


「そうそう、それ単《たん》に、性的誤(ご)情報《じょうほう》が無いからなの」

「そうなんだ」


「ところで、優香ちゃん。カルロの股間を、見てたんだ?」

「‥‥」


「何《なに》してたのかな?」

「‥‥」


 恥《は》じらい赤面《せきめん》するサガに対《たい》して、彩香は、極《きわ》めて嬉《うれ》しそうです。

 ちなみに、今《いま》でも、サガは処女《しょじょ》、カルロは童貞《どうてい》ですが、その時《とき》のサガは、カルロたち3人《にん》に、いつも通《どお》りの性欲解消(かいしょう)サービスをしていました。



 程《ほど》無《な》くすると、サガは、心が落《お》ち着《つ》いて、精神《せいしん》の余裕《よゆう》を取《と》り戻《もど》しました。

 ところが、今度《こんど》は、ジラルド王子が、興味《きょうみ》本位《ほんい》で、彩香に質問《しつもん》します。


「ところで、1兆回分のデータとは?」

「生成《せいせい》した百《ひゃく》万《まん》人、掛《か》けることの千《せん》回分の性交《せいこう》メタデータのことよ」


「どういう事《こと》です?」

「要《よう》は、優香ちゃんは、処女性(せい)を保《たも》ったまま、百万人と仮想《かそう》セックスしたの♡」


「なによそれ!」


 いきなり、サガが、二人《ふたり》の対話《たいわ》に、怒《いか》りながら割《わ》り込みました。

 しかし、サガを無視《むし》して、ジラルド王子と彩香博士の対話が進《すす》みます。


「凄《すご》いですね。ベテラン娼婦《しょうふ》ですら、百万人との情事《じょうじ》など、あり得《え》ません」

「そうでしょ。しかも、本人《ほんにん》に自覚《じかく》がないのに、経験《けいけん》だけは積《つ》んでるのよ」


「それだと、娼婦としても、進歩《しんぽ》したのですか?」

「違《ちが》う。今回《こんかい》は『性交データ』その物《もの》でなく、メタデータを使用《しよう》したから」


「なるほど!」


 ジラルドは、何が行《おこな》われたか、納得《なっとく》した様子《ようす》です。

 一方《いっぽう》で、サガは、怒りを込めて、彩香を、薮《やぶ》睨《にら》みしています。



 それなので、彩香博士は、自己《じこ》保身《ほしん》のため、話題《わだい》を変えて発言《はつげん》します。


「でね! 優香ちゃんて、偉《えら》いのよ!

 これだけ、改造したのに、まだ、ハイエルフの自然《しぜん》進化《しんか》の範疇《はんちゅう》なの!」


 彩香は、自己保身のため、大《おお》きな声《こえ》で、そう発言しました。これによって、サガの怒りが散《ち》ってしまいます。

 しかも、そればかりか、サガは、気《き》になったことを、彩香に質問します。


「じゃあ、わたしは、もっと強《つよ》くなれるの?」


「ん? 優香ちゃんは、強くなって無いわよ。

 ‥‥確《たし》かに、機械《きかい》精霊《せいれい》に、変身《へんしん》すれば強いけど。

 生身《なまみ》の時には、今まで通《どお》りの強さだから。

 何故《なぜ》なら、幸《しあわ》せと人生《じんせい》自体《じたい》を、チート化《か》させないためよ!」


「そっか」


 サガは、納得して、どことなく微《ほほ》笑《え》んでいます。

 これにて、彩香博士の自己保身が、成功《せいこう》しました。



 おまけに、サガが上《じょう》機嫌《きげん》で、研究室を立《た》ち去《さ》ります。

 やがて、ジラルド王子が、彩香博士に問《と》います。


「しかし、ハイエルフって、何なんですか?」


「それは、私《わたし》も気になってる。

 ‥‥謎《なぞ》が、多《おお》すぎるのよ。

 けど、これだけは、推測《すいそく》できる!

 エルフが誕生《たんじょう》した後《あと》で、ハイエルフが登場《とうじょう》した‥‥」


「‥‥伝説《でんせつ》の真逆《まぎゃく》ですね」


 彩香も、ジラルドも、腑《ふ》に落ちない様子です。そのため、通信《つうしん》メールで、軍神《ぐんしん》ガンヒルドに問い合《あ》わせましたが、極秘《ごくひ》事項《じこう》だと返《かえ》されてしまいました。



 こうして、気がかりな伝説を、謎としたままで、物語《ものがたり》は続《つづ》き‥‥行《ゆ》きます。

DYNAMITE SAGA by Souji Yamato

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