はじめての召喚儀式
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato
西暦2200年5月5日(月)ファンタジア世界、ロマーヌの館――
この館を、軍神ガンヒルドが訪れています。
うら若きハイエルフの美女『剣舞士サガ』は、言います。
「ママが生きていて、この世界で、わたしと暮らすことを望んでいれば‥‥
この条件で、お願いします」
「それだと、ロジックが、美しくないわね!」
サガの前世での母親『江戸前彩香』博士(見た目は17才)が、そう指摘しました。実は、彩香は、サガが長々と考えている間、すでに、西暦世界から召喚されていました。それに、サガが、驚嘆しています。
「ママなの? 本当に、ママが来た‥‥」
「呼べば、来るでしょ?」
彩香は、マイペースに、そう応えました。
一方のサガは、感動からの落涙をしています。
ちなみに、彩香博士は、2体目のアンドロイド犬を造れそうな人物として、召喚されたのです。なので、聖騎士アリスが、期待を込めて、彩香に質問します。
「ワンダの2体目は、造れるのか?」
「たぶん、素材が手に入らないから、無理!
‥‥けど、時間かかるけど、こちらの素材で研究してみる」
「わあっ♡」
彩香の答えで、アリスが目を輝かせます。
そこで、彩香博士は、スマートシステム(ステータスなどを管理する西暦世界が発祥の仕組)で、まずは、この世界の『環境分析』を開始しました。
こうして、数十分後。
今度は、彩香博士が、目を輝かせています。
「このマナとか言う、ナノマシン‥‥設計者は、天才よ!」
「マナは、創世神ジェネシスが、創造したのだ」
アリスの答えで、彩香は、確信します。
「神さまって、偉大なのね!」
「わあ、日本人感覚、まる出しだ~♪」
彩香の感動を、サガが茶化します。
しかし、次には、彩香博士は、真面目な表情です。
「しかし、ハードウェアは、完璧だけど、ソフトウェアに改良の余地あり!
‥‥こうして‥‥ちょちょいと‥‥それから‥‥Enter‥‥改良完了。
基礎OSの大雑把さは、単なる汎用性の高さだから、ドライバを改良した。
これで、マナ活用効率が、飛躍的にアップするわよ♪」
一同、ちんぷんカンプンな、雰囲気です。
そこで、彩香が、魔道士ハインツに提案します。
「そこの魔法使いっぽい人、ドライバを更新するから、魔法を使ってみて!」
「私のことですか?
‥‥では、上級魔法『食料創造』を、発動しますよ。
ん、マナの消耗が、微塵も感じられない?
それに、食料内容も、ランクアップして‥‥売れば、儲かります!」
「えっへん!」
「貴方は、偉大なる天才です!」
得意気な態度の彩香を、ハインツが絶賛しました。
早速、全員が、自身の『魔法の発動効果』を、自分で確認して行きました。
やがて、軍神ガンヒルドを含めた全員が、彩香博士を賞賛します。
けれども、彩香の関心は、他に移っています。
「マナを活用すれば、最強のバイオソルジャーが造れるはず。
‥‥ぽいぽい‥‥ちょいちょい‥‥ポチっと。
見て、この画面‥‥この子、カッコ良いでしょ?」
「あれっ、この子‥‥ハイエルフが、精霊化した姿に、似てるかも?」
「なんですって!」
サガの発言で、彩香は、サガに詰め寄ります。
「優香ちゃん、また、生まれ変わらない? サガMkⅡに、改造するから♡」
「駄目だから、ママ‥‥ママってば、強引すぎる!」
悲鳴を上げ『優香ことサガ』が、彩香により、手近な個室に監禁されます。
あたりに、珍妙な静寂が、訪れました。
こうして、波乱万丈の天才博士『江戸前彩香』が、新たなる風雲の兆しと共に、さっそうと仲間になりました。
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato




