機械仕掛けの悪魔
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato
ダンジョン攻略13日目、ベルファストの地下10階『決戦の間』前――
サガたち一行は、対戦準備を整えています。
その最中、戦士カルロが、剣舞士サガに訊ねます。
「それ、何だ?」
「マナを補充できる『マナ・アンプル』だよ。なんとなく、準備しとく‥‥」
サガは、何気に、そう答えました。
魔道士ハインツが、指摘します。
「それなら、魔力ポーションでは?」
「精霊化すると、これじゃなきゃ駄目だから‥‥」
「んっ、精霊化?」
「ハイエルフの必殺奥義だよ」
ハインツは、サガの答えに興味があるようですが、専門外なので、質問の言葉が浮かばないようです。
もっとも、普通は『精霊化って、何ですか?』と聞けばよいのですが、教養が高い人に限って、それが出来ないものです。
野戦士ルイが、興味津々で聞きます。
「精霊化って、なに?」
「ハイエルフは、精霊に変身できるんだよ」
「凄いんだね」
「凄いでしょ!」
サガは、得意気に、そう応えました。
ルイは、嬉しそうなサガに、微笑んでいます。一方、ハインツは、ルイに先を越されて、無表情のまま不機嫌な心情です。
しばらくして、いよいよ、サガたち一行は、決戦の間に入場しました。
そこには、金属で補強された『岩石ゴーレム』が居ます。
ところが‥‥
道化師人形のような悪魔が出現して、滑稽に踊り始めます。
その姿を見て、魔道士であるハインツが、大声で警告します。
「機械仕掛けの悪魔、邪神トリックスターの下僕です!」
トリックスターという名前を聞いて、一同に、緊張が走ります。
ところが、時すでに遅し‥‥剣舞士サガと岩石ゴーレムが、謎の球状空間に包み込まれてしまいました。
次の瞬間、サガは、虚空間に居ました。
そこは、広大な空間で、地面は、鉱石混じりの荒野で、赤い天空には、謎の惑星が、月のように浮かんでいます。
やがて、空間の歪みと共に、巨大な敵が出現しました。
それは、全高20メートルの機械巨人で、幅が30メートルもあります。どう見ても、巨大戦闘ロボットです。
サガは、緊張から全身に、汗が噴き出して行きます。
「こうなったら!」
迷わず、サガが、精霊化『トランスフォーメーション』しました。
その姿は、裸足全裸を『ボディーペイントのような』発光体が彩り‥‥まるで、SFのバイオ兵士に見えます。
(この姿、見たら男ども、喜ぶだろうな‥‥)
次に、精霊サガは、体内のマナを、SFのナノマシンのように操り、双剣を構築して、手に取りました。さらには、裸身上に、数多の電光表示‥‥スマートシステム(ステータスなどの仕組)で、補助効果を展開して行きます。
そうして、精霊サガは、機械巨人に向かって超高速で突撃します。光の残像『モーションブラー』で、背後を彩りながら‥‥
(機械巨人まで、残り100メートル‥‥)
それを、機械巨人は、科学兵器『ミサイル』群で、迎え撃ちます。ですが、サガは、ミサイル群を、時に‥‥巧みに双剣で斬り払い、時に‥‥鮮やかに回避しながら、華麗に突き進んで行きます。
(いまだ‥‥!)
やがては、機械巨人に到達して、跳躍‥‥滞空しながら、精霊サガは、双剣で、衝撃波をまとう神速斬撃を繰り出して行きます。
すると、一瞬で、装甲破砕。機械巨人の胸部機関が、剥き出しとなります。
(あとは、突貫するのみ‥‥)
ところが、機械巨人は、全身から衝撃波『灼熱パルス』を放ちます。サガは、吹き飛ばされ、地面に叩きつけられます。
しかも、灼熱パルスは、連続放射されて‥‥苦しむサガは、身体の構成要素を補うため、マナ・アンプル(使い捨て注射器)を、何本も消費します。
しかし、数分もすると、機械巨人は、動作不良『オーバーヒート』を起こして、灼熱パルスが弱まります。今が、チャンスです。
(‥‥突貫!)
精霊サガは、渾身の力で、水平50メートル超えの跳躍をすると、一瞬にして双剣で、機械巨人の胸部を突き破り、突き抜けました。今、彼女の身体は、機械巨人の背後『水平50メートルの空中』にあります
程無くして、サガは、機械巨人の背後『距離50メートルの地面』に着地します。着地すると、丁度、その瞬間、機械巨人が、誘爆‥‥爆発しました。
(えっ、やば‥‥!)
機械巨人の破片は、サガにも当たりますが、どうにか、加護の一種『防護シールド』が耐えられました。ですが、最早、体力が限界です。
こうして、サガは、ぎりぎり、生き延びることが出来たのです。
ともあれ、精霊サガは、華々しくも、強敵『機械巨人』に勝利できました。
DYNAMITE SAGA by Souji Yamato




