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第98話 両親の帰国

第98話 両親の帰国


氷美香視点

うーん。

やっぱり日本の夏はジメッとしているわね。

飛行機のタラップを降りて日本特有の蒸し暑さを肌で感じる。

これを感じたら帰ってきた!って感じるのよね。

息子には今日、父さんと羽田に着くからと伝えているから来ていると思うんだけど…。

手早く入国審査を済ませ、手荷物コーナーへ。

やっぱり日本のクルーは荷物の扱いが丁寧よねぇ。

どこの国とは言わないけど、預かった荷物を放り投げているところもあるからね。

私のキャリーも一度壊されたわ。

ホイールがポッキリやられたわ。

まあ、預ける前にたまたま撮っていた動画があったからそれを出して徹底的にその航空会社を叩いてやったけどね。

もちろん法律の力でよ。

私は確かに離婚に強い弁護士だけど、離婚ばかりが専門じゃないわ。

預けた時の動画、出てきた時の動画全部揃えてやってやったわ。

最後は向こうの専務がもう勘弁して下さいと泣きを入れてきたのは本当に滑稽だった。

イエローモンキーと馬鹿にするからよ。

日本人なめんな!

まあ、最後はその専務、差別投稿でやらかして会社を追い出されていたようだけど。

うん。

荷物も無事ね。

さあ、愛しの息子と恋人たちに会いに行きましょう。

入国ゲートを通って探せばほら。

あれだけの美少女を侍らせていたらすぐ目につくわ。

って、あれ?

あの青髪の子、いたかしら?

確か4人じゃなかった?

まさかまた増えたの!?

私の息子は本当にたらしなのねぇ。

みんなが納得しているならいいんだけど、普通修羅場にならない?

みんなでシェアを納得しているのかしら。


蒼一郎視点

…俺の目がおかしいのか?

あの青髪の子の波動がほかの子たちと全然違うんだが?

なんというか…神聖さを感じる。

というのも、我が冷泉家には家宝があって、そのうちの一つが妖刀なんだ。

初代村正の大業物の蒼月村正がそれなんだけど、この刀に認められると霊感というかそういう何かの力を授かるんだ。

俺の場合は相手の波動がわかるというもの。

父は授かったのが霊感だったみたいで、元々怖がりな性格もあってサッサと俺に継承しやがった。

継承した時に村正からは失望の念が感じられたよ。

言い伝えでこの刀には意思があって所有者を選別するというのがあるんだよね。

まだ、蒼魔には見せてないけど、刀のほうが蒼魔を気に入りそうな感覚があるんだ。

なんというか、早く本家に連れてこいと囁かれているように感じるしな。

俺としてはまだ早いと思っているから、たまに本家に顔を出して時期を待てと伝えている。

ただ、蒼魔が異世界から帰ってきてから、蒼月村正からの督促というか催促が増えている気がする。

もう、箱入り娘が私の見合い相手をさっさと連れてこいというような感じだ。

せめて蒼魔が高校を卒業するまで我慢してほしいものだ。

一度見せれば蒼月も満足するのかね?

とりあえず、普通に生活するうえでは差し障りがないのだ。

蒼月には申し訳ないけど、後数年待ってもらおう。


蒼魔視点

「ただいま!蒼魔ちゃん、元気だった?」

「もちろん」

「あなた達も蒼魔ちゃんを大切にしてくれてありがとうね」

母さんの熱烈な感謝にマイペースなエルシアまで押されている。

まあ、義母になる人に強くも出られないか。

ルナはニコニコだし、サンは親父に抱いついていた。

レアは、まあいつも通り。

嬉しそうだけど感情を抑えているんだろうね。

ミカエルは初顔合わせだけど…あれ?

顔青いよ?

どした?

「ね、ねえ、蒼魔くん、あなたのお父さん、呪われたりしてないよね?なんか禍々しい何かが纏わりついているんだけど…」

は?

親父が呪われている?

んー?

俺には何も感じないけどなあ。

「あー、わかった。禍々しいけどお父さんを守っているから感知できないんだよ」

うーん。

もしかしたら本家に昔から伝わる家宝が影響しているのかも。

俺は見たことないんだけど妖刀があると聞いたことがあるね。

「なるほど。守り刀みたいなものなのね。なら、気にはなるけど大丈夫かな?」

熾天使であるミカエルが保証してくれるなら安心かな。

俺達は両親と一緒に空港の出口に向かう。

今日から1週間、親父たちは休みとのことだから孝行しないとな。

親孝行、したい時には親おらずともいうしね。

まずはルナの日本食に感動してもらいますかね。

俺はルナに視線を送るとにっこり笑って頷いてくれた。

俺の意図が伝わったみたいで何より。

さあ、我が家へ帰ろう。


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