第75話 たかし、赤点補修を受ける
第75話 たかし、赤点補修を受ける
たかし視点
ちくしょう。
自分の意志の弱さを毎回感じる今日この頃。
今の世界には俺への誘惑が多すぎるのがいけないんだ。
ゲームに漫画、雑誌に音楽。
あれこれ目移りしてしまうよ。
成績優秀な蒼魔とか香織はどんな勉強方法をしているんだろう。
というか、俺あまり頭いいほうじゃないんだけど記念受験した星華の特進になんで受かっているんだろう?
選択問題、鉛筆コロコロで結構解いたんだけどな。
本当に解せぬ。
もともとこんな方法で受かったもんだから、俺の学力はこのクラスに届いてなくて、俺はクラスの授業についていくだけで必死なんだ。
だけど早く帰って遊びたいし、動画も観たい。
…誘惑が入らないところで勉強すればいいのかな?
ファーストフードショップとかファミレスとか…。
でも正直、あまりお金かけたくないんだよなぁ。
先生に相談してみるか?
補修をしてくれた影山先生に聞いてみた。
結果はやはり教室、図書館、ファーストフードショップであれば誘惑はないのでは?という回答だった。
…勉強する場所の問題はいつの時代も変わらないのかな。
もう一人、補修に来てくれていた雪村先生にも聞いてみたらこっちは台所でやっていたと言われた。
台所?
なんで?と思って聞いたんだけど、雪村先生も誘惑に弱いタイプだったみたいで親の目があるところで勉強をすることで、誘惑に惑わされないようにしていたんだそうだ。
親の監視があるという認識も役立ったとのこと。
それとモチベ維持をするためにボールペンを使って暗記をやっていたんだって。
詳しく聞くと雪村先生は英単語や漢字を覚えるときにガンガン書いて覚えるタイプだったそうで、当時、より多くの五感を使って覚えるのが効率的と言われてこの方法を始めたんだそうだ。
それで先生は嗅覚以外の感覚に刺激を与えて書き殴り、インクの減り具合いを見て達成感を味わっていたそうだ。
なるほど。
確かにボールペンを使う方法はありかも。
見た目でどのくらい頑張ったか実感が湧くし、暗記もやりやすくなるかも。
あと耳に残る語呂合わせとかも雪村先生に教えてもらった。
なるほどね。
人にあったやり方があるから答えはないんだろうけど。
あとは二人の先生から言われたのは継続性。
継続は力なりという言葉通りやればやるほどいいらしい。
ただ無理をする必要もなく適度にやりなさいと言われたよ。
結局地道な努力しかないのが現実か。
蒼魔が言っていた今の勉強が将来の自分へのお小遣いの増額になるということを信じて少し頑張ってみようかな。
よし、まずは三日坊主を退治して続ける癖をつけなきゃな。
あ、あとご褒美作戦もいいらしいからこれは親と相談してみよう。
蒼魔視点
ここ最近たかしのやつ、勉強しだしたようで、授業中にさされても澱みなく答えられているな。
まあ元々ポテンシャルは高いやつだからやればできるんだけどな。
誘惑耐性がない、というのが問題だけど鼻先に人参吊るしてやればエンジンかかるからな。
多分自分の性格を理解したんだろう。
この前ご褒美作戦がー、とかい言っていたからね。
あとは地味に将来のお小遣いの話が効いているみたい。
このまま息切れせずに続けられればたかしもいい線行くんじゃないかな?
鉛筆コロコロで受かったとはいえ、特進に入れるだけの実力もあるわけだし。




