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第73話 エルシアショック

第73話 エルシアショック


Akira視点

私はサンズアップクリエイションという事務所に所属するモデルです。

モデル歴は4年目のまだまだ若手でなかなかブレイクできなくてもやもやした日を過ごしていた。

スカウトしてくれた山村さんにはよく励ましてもらっていたけど、私の心はもう折れそうだった。

同期たちは既に私の手の届かないところまで駆け上がって、グランプリやミスコンで賞を取りまくっているのに、私は未だに芽が出ていない。

私には何が悪いか分からないし、どうすればいいかも分からない。

そんな状態が続いていて、あと1年、頑張ってだめだったらモデルを辞めようと思っていた。

そんなある日、新しいモデルが来るという話を山村さんから聞いた。

何でもとんでもない逸材の子だと聞いて、私はますますやりきれなくなった。

そして対面して思った。

神様は不公平だ。

一人にいくつもの才能を授けすぎている。

そのくらい衝撃だった。

惨めだった。

みんながエルシアちゃんを囲んで騒いでいるのを私は少し離れて見ているだけだった。

ほかの子はエルシアちゃんにいろいろ聞いたり、彼氏をシェアしていることを聞いてきゃあきゃあ騒いでいる。

あんなにきれいなんだから逆ハーレムも作れるんじゃないかと思っていたんだけど、あとから聞いたらエルシアちゃんの一目惚れでゾッコンということがわかった。

しかも彼氏くんの初物も頂いたとか。

完璧にリア充じゃん。

はあ。

私が落ち込んでいることに気づいたのかエルシアちゃんが気にかけてくれた。

ライバルになるかもしれない子に弱みを握られるかもとは思ったけど、本当に心配してくれているのが分かって心の中身を吐露してしまった。

情けなかった。

だけど、エルシアちゃんは私に寄り添ってくれた。

私の何がだめだったのか、私の強みは何なのか。

それを事細かに的確に教えてくれた。

青天の霹靂だった。

そんなことでいいの?ということばかりだった。

実際に試してみたらすぐに効果が出た。

撮影でも一発OKだし、インタビューも問題なく答えられるようになった。

そっか。

私になかったのは自信と立ち振る舞いだったんだ。

エルシアちゃんにお礼をしたんだけど彼女、にししと笑って気にすんなしーだって。

かなわないなあ。

この先エルシアちゃんはとんでもないモデルになるんだけど、私は生涯の友として仲良くさせてもらえたわ。

…秘密にすることを条件に、エルシアちゃんは自分が本物のサキュバスと聞いたときは気を失いかけたのは内緒ね。

というか、そんな話、私にしないでよ!!と思ったのは内緒だ。

エルシアちゃんらしいや。

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