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第56話 レアとのデートwithミカエル前編

第56話 レアとのデートwithミカエル前編


蒼魔視点

なんか朝からレアの部屋が騒がしい。

多分エルシアとルナがレアに構い倒しているんだろう。

俺の方の準備は終わっているので、サンと魔物を狩ろうぜ!!というゲームで遊んで時間を潰している。

「お兄ちゃん、傷薬ちょうだい!!」

「俺も予備そうないぞ?」

「討伐諦めて捕獲する!!」

「…そのほうが早そうだな」

サンは接近戦が好きらしく双剣を好んで使う。

まあ、そのせいで被弾も多いわけで。

「お兄ちゃん、落とし穴!!」

「はいよ」

「!!成功だ!!」

サンとハイタッチ。

サンはこういうアクション系はつよいが、パズル系は苦手みたい。

よくレアとやっていて頭から湯気が出そうになっているしな。

しかしレアのやつ、時間かかっているな。

今日の行動にタイムスケジュールはいれてないからいいけどさ。

お、出てきたか。

「レア、待ち詫びた…」

俺は言葉を失った。

ロングスカートを履いたレアとか貴重すぎだろ!

しかもオフショルダーとか意外性がありすぎて見惚れてしまった。

「ぬ、主殿、あまり見ないでくれ…」

「これを見るなというのは酷だろ?」

「慣れんのだ。しかもスカートとか何年ぶりかも分からんぞ」

うわぁ、レアの顔、真っ赤じゃん。

「レアお姉ちゃん、綺麗…」

「サンもわかるか?」

「普段のレアお姉ちゃんと全然雰囲気が違うね。」

「だな。全然ありだね」

レアの後ろでエルシアがサムズアップしている。

だからドヤ顔やめぇ。

まあエルシアも美人だからドヤ顔も合うんだけどさ。

「レアさんの肌、きめ細かくてメイクもしやすかったですわ。素材がいいのでナチュラルでも全然映えますわね」

「みんな、やめてくれ。恥ずかしくて死にそうだ」

ふむ。

レアいじりはここまでにするか。

「ミカエルさん、今日のデートについてくるって聞いたけど…」

「ミカエルでいいよ、蒼魔さん。それに私はなかなか地上にこれないからさ。動けるときに動きたいのよ」

「なるほどね。分かったよ。あと俺も蒼魔呼びでいいよ?」

「んー、考えとく」

「えぇ……。」

そんなやり取りをしながら俺たちは靴を履く。

「レア、今日は秋葉原に行くんだっけ?」

「ああ。欲しいものがあるからな」

「分かった。じゃあ行こうか」

行き先を確認できたので、俺、ミカエル、レアの三人は押上の駅に向けて歩き出した。


ミカエル視点

この家族いいなぁ。

みんなが信頼しあっていて、愛もある。

これが地上人のいいところだよね。

私は蒼魔さんとレアさん達のやり取りを見ていて感心していた。

天界も悪くないんだけどなんかギスッてるんだよね。

まぁ大体あの柱のせいなんだけど。

口には出しませんよ?

そんなことで堕天したらいやですし。

でもこの電車というもの、便利だね。

私は飛べるから気にならなかったけど、飛べない人には役立つものだね。 

ただ、この国の人じゃない人のマナーが悪いなぁ。

私は天使だから言語はわかる。

…文句言うならこなきゃいいのにね。

そんなこんなで人間観察していたら着きましたよ、秋葉原。

私たちヲタの聖地です。

まさか天使の私が巡礼できるとか!!

感無量ですねえ。

個人的にはあの劇場に行きたいんですが、蒼魔さんもレアさんも興味ないみたいなので、今回は諦めましょう。

ん?

レアさん、ピアノを見つめてどうしたんです?


レア視点

ふむ。

こんなところにピアノがあるのか。

そして誰が演奏してもいいんだな。

ふむ。

「主殿、少しここで演奏していいか?」

「かまわんが…どしたの?」

「フフ、まあ見ていてくれ」

我は順番待ちの列に並ぶ。

私の前に一人いるだけか。

何を弾こうか考えていたら前に並んでいた人が怖気付いたのか順番を譲ってくれた。

いいのか?

緊張した?

そうか。

じゃあお言葉に甘えて。

椅子に腰掛け、指を鍵盤に乗せる。

よし、これを弾くか。

『パガニーニによる大練習曲』第三番、ラ・カンパネラを。

我は音色を荘厳に、物悲しく弾いていく。

素通りしていた人間たちが止まり始めたな。

我はリストが書いた楽譜通り、しかし荘厳さが増すように弾き続ける。

ミカエル殿?

なんで祈っている?

天使に祈られる魔族とかおかしくないか!?

動揺はするも最後まで引き切った。

シン…とした間のあと拍手喝采になった。

さすがの我も驚いた。

なかには泣いている人間もいるではないか。

あれ?

我のあとに弾く人はいないのか。

ふむ。

じゃあ…、

「主殿、連弾でやらぬか?」

「何をやるんだ?」

「…魔王決戦。クロ◯・ト◯ガーの。」

「わかってんじゃねえか」

「リピートは二回だ」

「りょ。」

「担当は我が高音、主殿がベースラインで頼む」

お、主殿の笑顔がいつになく獰猛だな。

準備ができたようだ。

目配せをする我。

主殿がベースラインを弾き始める。

ダークに、重たく、重厚に。

ゆったりとしたメロディーか、テンポを上げてメインラインに。

おいおい、主殿、そこを口笛いれるのか!?

わかっているではないか!!

我と主殿は迫力が出るように、目の前に魔王がいるようなイメージが湧くように弾ききった。

…すごいな。

黒山の人だかりとはよく言ったものだ。

む?

次の人間に変わろうとしたら、もう一曲どうぞ、だと?

占拠しているようで悪いと思い、交代することを告げると、あのレベルを見たあとには弾けないとのこと。

なんか申し訳ないと思いつつ、次で最後だからと告げ、三曲目に移る。

そうだな。

弾き語りでもしようか。

我はFlagのピアノバージョンのイントロを弾き始める。

ふむ、わかる人間にはわかるか。

そして我は歌詞を紡ぐ。

儚く、哀愁を込めて。

サビにはいる頃には号泣する人が出始めるとは。

我は心を込めて伴奏しながら熱唱する。

なんでミカエル殿が泣いているのだ。

まあいい。

クライマックスまで歌い切り、最後は静かに曲を終える。

ふう。

満足だってうお!!

なんだこの観衆の数は!!

戸惑う我を旦那がミカエル殿と一緒に連れ出してくれた。

さすがにアレだけ集まるとは思わなんだ。

しかし、これはたまらんな。

脳汁ドバドバだ。

これは病みつきになるな。

え?

主殿!?

外で弾くな!?

そんなご無体な!!

まあ、あれだけ集まればそうもなるか。

むむ、無念。


今回レアが演奏した曲は、もしかするとイメージしづらい方もいるかもしれません。

興味のある方は、下記の参考演奏をどうぞ。


ラ・カンパネラ(フランツ・リスト)

https://www.youtube.com/watch?v=xB_t1arBmmc&pp=ygUV44Op44O744Kr44Oz44OR44ON44Op


魔王決戦(ピアノ連弾アレンジ)

https://www.youtube.com/watch?v=fLClWbos1DY&t=365s&pp=ygUh6a2U546L5rG65oim44CA44OU44Ki44OO44CA6YCj5by-


Flag ピアノアレンジ

https://www.nicovideo.jp/watch/sm20228494

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