第5話 何故かいる俺の親たち
家の門の前に着く。
俺は「冷泉」の表札の溝をなぞる。
「お兄ちゃん、これ、何?」
サンが興味深そうに表札を眺めてたので、これが俺のファミリーネームだと教える。
「ボク、こんな文字見たことないよ?」
「サンよ、主殿の世界の文字は我らの世界にはないのだから当然だ。」
「あ、そっか。」
レアとサンのやり取りを微笑ましく聞きながら家の鍵を保管してある箱のロックを外し、鍵を取り出す。
ガチャリ。
取り出した鍵で施錠を開け、キイッ音を立てて扉を開ける。
俺の認識じゃ無人の玄関のはずだった。
でも、なぜかある2足の靴。
え?親父たちいるの?
確か夏まで帰らないとか言ってなかったか!?
混乱する俺をよそにパタパタと2つの足音が聞こえてきた。
え?え?マジでいるの!?
混乱する俺をよそに恋人たちはキョトン顔。
いや、みんな可愛いよ!?
ルナさん!?あなた可愛いんだからそんなに首を傾げないで!!
エルシアさん!?何ニマニマしてんの!?
「蒼魔ちゃんおかえり、遅かったわね?」
「サプラーイズだな、息子よ。」
で、ビタっと止まる両親ズ。
まあ、そりゃこの状況だと固まるわな。
みんな地球人ではありえないレベルの美人だし。
「あらあらまあまあ、あなた様、まずは互いに紹介からなさいませんか?」
空気を読んだのか、俺たちの絶対的ママであるルナが紹介を提案する。
「あ、じゃああーしから♡エルシアでーす。ダーリンラブの彼女でーす。」
固まっていた両親は、エルシアのあっけらかんとした紹介を聞き、そして彼女を見てその美貌に絶句。
顔はレベチだしタッパはでかいし足は長いしスタイルも文句なし。
まあそうなるよな。
彼女という情報とレベチな美貌で理解が追いついてないか。
これはしゃーない。
「ふむ。次は我が。父殿、母殿、我が名はブラッドレア・ヴェスペリア。エルシア同様主殿の恋人である。レアとでも呼んでほしい。」
「「主殿!?騎士口調!?」」
我に返るもレアがさらなる追い打ちをかける。
「じゃあ次はボクね。名前はサンだよ。パパさん、ママさん、よろしくお願いします。あ、ボクもお兄ちゃんの彼女です!えへへ。」
「「かわいい!!」」
いい感じに脳がやられてきたかな。
「最後はわたくし、ルナ・シルフィード・ルミナリアです。わたくしもあなた様の恋人になりますわ。よろしくお願いします。」
優雅なカーテシーを披露する。
「母さん、さすがにこれは⋯。」
「お父さん、私も何が何だか⋯。」
よっしゃ!先制攻撃成功!両親撃破!
⋯じゃなくて!
「親父、お袋。理解が追いつかないみたいだけど大丈夫か?」
「そりゃお前、こんだけの別嬪さんを4人も連れてきて、しかも全員彼女とか言われたらなぁ」
「そうよ蒼魔ちゃん。」
「現実を受け入れて。事実だから。」
俺は恋人たちに靴を脱ぐように伝え、スリッパに履き替えてもらう。
「ま、まあよく着てくれたな。歓迎するよ。」
親父が何とか持ち直したのか、みんなを家の中に案内する。
さて、どこまで話せばいいものか⋯。
初日の公開は5話行います。ストックは50話ほどありますが、安全を見て定期的な投稿で進めようと思います。




