第49話 試験の終わりとたかし爆散
第49話 試験の終わりとたかし爆散
蒼魔視点
カリカリと解答を書き込む音を聞きながら俺は三度見直しを終えた答案をひっくり返して時間をつぶしている。
最後の試験は英語。
ルナの能力のおかげで試験時間60分のうち20分で終わってしまったよ。
終わった人から退出できれば楽なんだけどなぁ。
まあ、いいけど。
キーンコーンカーンコーン。
終了のチャイム。
解答用紙を教卓に提出し、帰り支度を始める。
今日はこれで終わりだからだ。
たかしは⋯真っ白か。
追試頑張れ~。
香織はまあ、いつも通りか。
あ、たかしに絡みに行ってからかっている。
「蒼魔…は今回も完璧か?」
俊彦か。
「いつも通りさ。俊彦は?」
「蒼魔がやってくれた勉強会のおかげで赤点はなさそうだよ」
「じゃあ英語も問題なく?」
「だな。ヤマを張ったのが当たったというのもある。」
「外れたらどうすんだよ」
「その時はその時さ。何とかなるよ」
気楽な性格なのは俊彦のいいところだな。
たかしなんか完全に死んでいるし。
「たかし、ほぼ赤点だろうってさ」
苦笑いしながら香織がやってくる。
「通常運転で何より。」
「前回の中間が良かったのはまぐれか?」
「本人曰く、誘惑が多すぎたと。」
「完全な自爆じゃねぇか」
予想通りの香織の情報に俺と俊彦は爆笑。
「んー、たかしも俺みたいに自分の部屋じゃなくて台所とかでやればいいのに」
「どういうこと?」
「自分の部屋に誘惑の原因があるんだったら人の目があるところで勉強すればいいってこと」
「自制心が低いたかしにはいい方法かもね。」
「あとは勉強で使う筆記用具をボールペンにするといい」
「どうして?」
「たかしみたいに自分でやった感がモチベになるタイプは使ったインク量がわかればこんだけ頑張った!という結果に満足できると思うよ?」
「なるほどね。」
俊彦の考えに香織は納得。
早速とばかりにたかしにうざ絡みをしに行く。
「…あいつら付き合わんのかね?」
「あの関係がちょうどいいんじゃない?」
と、俺と俊彦。
噂では香織が俺に気があったけどレア達がいることを知って落ち込んだって聞いたんだけど、所詮は噂だったのかね?
「蒼魔、今日はこの後どうするんだ?」
「んー、たぶん何もないと思うけど、お迎えが来てそう」
俺とサンを迎えに来た他の恋人を見に来た野次馬がたかる校門を見やる。
あ、今日はエルシアか。
そりゃごった返すか。
「なあ、蒼魔。彼女さん連れてきていいからお疲れさん会としてカラオケにいかね?」
「あー、たぶんエルシアなら喜んでついてきそうだな。聞いてみるよ」
俊彦の提案に乗った俺はロイドでエルシアにカラオケに行かないか提案してみることにした。
たかし視点
ふっ、燃え尽きちまった。
今回も蒼魔の勉強会に参加したが発売されたハンティングゲームが悪いんだ!!
あんなのハマるに決まっているじゃん!!
まあ、逆鱗とか宝玉はそれなりに集まったけどさ。
あー、親に怒られるのだるいわ⋯。
「たかし、爆死?」
「おー、爆死も爆死。爆散しちまったぜ」
「どうせゲームとかに手を出して勉強できなかったんでしょ?」
相変わらず香織にはバレバレか。
「誘惑してくるゲームが悪い」
「自制心なさすぎでしょ。あんた。」
否定できねぇ。
まあいいや。
追試で挽回しよう。
「たかし、俊彦からいい勉強方法の提案があったんだけど聞く?」
「提案?なんぞ?」
「自室に誘惑が多いなら人目がある場所で勉強する方法。例えばリビングとか台所とか。」
なるほど。
周囲に監視の目があれば勉強するといった手前サボれなくなるって感じか。
確かにいい方法かも。
あとは姉貴と兄貴がダル絡みしてこなきゃ、という条件がつくんだけどな。
「あんたんとこの兄姉、かまってちゃん問題が課題?」
「だな。かーちゃんに相談してねーちゃん達に我慢してもらうようお願いすれば何とかなりそうだけどな。」
「そうね。言うだけならタダだし?」
「追試もだるいから親に協力を求めてみるわ。さすがに予備校にまで行こうとは思わんし」
「あんた、地頭いいくせにサボり癖があるからね」
「良く分かってんじゃん」
「幼馴染なめんなっての」
軽口を叩きながらやり合うの、楽しいな。
やっぱ俺、香織好きだわ。
「たかし、俊彦がカラオケ行かないって言っているけどどうする」
「行くに決まってんだろ?試験終わったんだから羽伸ばさなきゃ」
「…あんたは追試があるけどね」
「あがががが」
わかってるっての!




