第41話 スカウトとの交渉
第41話 スカウトとの交渉
蒼魔視点
いやー、バイクはいいねぇ。
どれに乗ろうか本当に悩んでしまうよ。
ネイキッドもいいしアメリカンもいいし。
ホンダのCB400もいいしヤマハのYZF-R3もいいなあ。
MTシリーズもいいよなぁ。
シャドウクラシックも捨てがたいし、ドラックグスターのフォルムもいいし本当に悩むよ。
もう見ているだけでウキウキするんだよね。
あ、あとお出かけする時に荷物とか入れるものが欲しいからリアボックスとドライバッグは必須だな。
あとはドラレコとかETCとかその辺だな。
まあ、転倒しても魔法でなんとかなるから保護するアイテムはいらないね。
おー、液晶のメーターのバイクもあるのか。
アナログメーターもいいけど液晶もサイバーちっくでいいじゃん。
排気量どうしよう。
コスパを考えると250ccなんだよなぁ。
けど高速走行することを考えたらやっぱり400ccのほうが安定するんだよなぁ。
まあ、この悩む時間が楽しいんだけど。
ん?
エルシアからロイドが…。
やっぱりなぁ。
スカウトされたか。
えっと喫茶タンドールにいるのか。
俺は時計に目をやる。
うん、ちょうどいい時間だから移動するか。
エルシア視点
二杯目のアイスコーヒーを飲みながらダーリンを待っているけど、やっぱり外からチラチラ見られているなぁ。
さっきもチャラ男から手招きされたし。
いっそ声かけてくる奴らの精気吸い取ってやろうかしら。
手をつなぐだけでも地球の奴らからなら吸い尽くせそうなのよね。
絶対美味しくないだろうけど。
奴らの息子が役に立たなくなるから間接的には被害が出なくなること考えるのもありかしら?
あーしの魔力も少しは上がるからメリットがないわけじゃないんだけどね。
そんなアホなことを考えたらダーリンが店に入ってきてあーしを見つけてくれた。
で、自然にあーしの対面じゃなくて横に座ってくるダーリン。
自然にあーしの太ももに右手を乗せてくる。
もう何?
あーしを誘ってんの?♡
とりあえず山村さんから聞いた話をダーリンに伝える。
少し考えてから
「エルシアのために会社の規定を変えるんだ。これは本気なのかな?」
「普通規約って変えないものなの?」
「こういう恋愛に関する規約は制定されるときには何かしら背景があることが多いんだ。やれ不倫とか、泥沼とか、ファンとの不適切な交流とか」
ダーリンの話であーしは先日のワイドショーの話を思い出す。
あんだけ面白おかしく騒ぎ立てれば事務所のイメージが悪くなるから最初から禁止しとけば問題も起きないってことなのね。
ワイドショーで馬鹿みたいに仰々しく話していたからよく覚えている。
なるほどね。
とりあえず、ダーリンと一緒に山村さんの話を聞いてみよう。
決めるのはその後でもいいし。
でもダーリンはあーしが有名になったら喜んでくれるかな?
喜んでくれるなら頑張ろうかな。
山村視点
社長との話を終えてタンドールに戻るとエルシアさんの横に男性が座っていることに気付いた。
なるほど。
彼がエルシアさんの恋人なのね。
見た目は普通…いや、これは外見で判断しちゃいけないタイプね。
見た目に騙されるとヤケドじゃ済まないわね。
気を引き締めないと。
「お待たせしました。」
ひとこと断ってエルシアさん前に座る。
「えっと、こちらの方がエルシアさんの?」
「うん。あーしの愛しのダーリン」
「はじめまして。冷泉蒼魔です」
「こちらこそはじめまして」
軽く挨拶を済ませ、冷泉さんにも名刺を渡して、社長に相談したこと、恋愛禁止の規約を社内で見直すこと、今後どういう活動がメインになるか、NGはあるか等細かく確認させてもらった。
うん、冷泉さん、かなり頭切れるわね。
エルシアさんの答えを補足、足りない部分は確認を入れて穴を潰してくるわ。
最も、穴なんかないし、誠実がモットーの会社なので。
まぁ甘い言葉には裏があるとも言うから、最初に身の上を明かすんだけどね。
冷泉さんから契約書の話がでたけど、まだ社内でのコンセンサスが取れてないから今の段階での締結はないんだけど、契約書の原案を見たいとのことなので原案の契約書を冷泉さんに渡した。
へえ。
契約書の中身、真剣に読み込むのはポイント高いわね。
最近の子はよく読みもしないでサインするからちょっと新鮮。
エルシアさんも一緒に読んでいって、わからないところは冷泉さんに教えてもらうのね。
いい関係じゃない。
「学生の私が読んでも違和感はないので問題はないとは思いますが、本契約の前に一度母に見てもらうことにします」
ん?
母?
え?ちょっと待って。
この2人同棲しているの?
しかも親御さんと?
私が混乱していると、
「あーし達は同棲しているよ?あとダーリンのママさん、今、アメリカで国際弁護士をやっているんだって。」
国際弁護士!?
藪をつついたらヤマタノオロチが出てきたんだけど!?
これはいつもよりきちんとした契約書にしなきゃならなくなった。
うう、胃が痛い。
これは持ち帰り案件ね。
「あ、あとですね…」
なんかもったいぶっている冷泉さん。
「なにかしら?」
「エルシアのことですが、私の4人の恋人のうちの1人でして…」
…なんか聞き間違えたかしら?
「もう一回言ってもらってもいいかしら?」
「私の4人の恋人のうちの1人なんです」
聞き間違えじゃなかった!!
初っ端から爆弾事案じゃない!!
これ、どうすればいいかしら。
マスコミは間違いなく食いつくわね。
でも結婚しているわけじゃないからお互いが納得してればあり?なのかな?
とりあえずこのことは事務所に共有しておこう。
とんでもない諸刃の剣だわね。
社長と相談して、判断は丸投げにしよう。
うん、そうしよう。
あ、もし写真があるならもらえる?
できれば恋人みんなで仲良く写っているのがいいわね。
もらった写真を見る。
うん。
全員が違うベクトルでレベチね。
冷泉さん、どんだけ徳を積んだの?
前世は聖者かなにかなの?




