第16話 お家へ、帰ろう
エルシア視点
ダーリンのパパ上、ママ上が見えなくなるまでダーリンは見送ったわ。
なかなか個性的な親だったけど、理解してもらえてよかったわ。
ダーリンも少し寂しそう。
今夜あたり夜這いして慰めてあげたいけど、多分レア達も同じ事を考えているのでしょうね。
さて、声をかけて帰ろ……
!?
何!?
向こうのキラキラした店!
めっちゃ気になるんだけど!!
ダーリンに聞いたところ免税店というお店らしく税がかからない分だけ安くなるって。
ちょっとまって。
それってかなり節約できるってことよね?
行くしかないじゃん!!
って、ダーリン?
なんで止めるの?
あーし、あの店に行きたいんだけど!?
そこで衝撃の事実がわかったわ。
国外に行く人しか入れないお店であること。
際限なく帰るわけではなく無税になるための上限があること。
なにそれ!?
制限とかあるの!?
ひどすぎじゃん!!
せっかくのあーしの楽しみが!!
クスン。
いいもん。
いつか必ず行ってやるんだから!!
でもどうすればいいかな?
ダーリンに何かいい方法がないか聞いてみよう。
その方法があーしも楽しめるんだったらなお最高ね。
今度デートに誘った時、聞いてみよっと。
ルナ視点
お父様とお母様外つ国へ向かわれました。
あなた様も少し寂しそうですが安心してください。
わたくしたちがいるじゃありませんか。
絶対淋しくなんかさせませんの。
それに今日からわたくしが作る料理を召し上がっていただくことになるのですから、きっとあなた様も幸せになっていただけると思います。
きっとあなた様のことですから、
「やば!ルナ、これめっちゃうまいんだけど!?」
と、言ってくれるに違いありません。
「やべえ、止まらん!!」
これがあなた様から出ればわたくしの勝ちですわ。
駄目ですわね。
想像するだけで胸がキュンキュンしてきますの。
それにですが、多分エルシアも今晩あなた様の閨に行くと思います。
わたくしたちが4人で全力で癒してあげましょう。
そうすればきっと、あなた様の寂しさは消えてくれると思います。
それに……久々に優しく愛していただきたいのです。
わたくしたちもあなた様を優しく癒し、愛させていただきますわ。
いえ、激しく愛していただいてもいいのですが。
それもまた求められているとわかるので、わたくしたちも幸せをより感じてしまいますわ。
うん。
今晩はお母様から教えていただいた『すき焼き』なるものに挑戦してみましょう。
旨味なるものも少し理解できましたし、何よりわたくしの魔眼で感知できるのです。
これはいい意味で誤算でした。
あの『あれ』が見えるということはわたくしの調整難易度が一気に下がります。
多いほどいいのか。
適度な量がいいのか。
食材によって出方や色は違うのか。
やりがいがありますね。
お母様も言っておりましたが、「和食は突き詰めれば終わりがない」とのことですが、ベースから『これ』ですからね。
ですが終わりがないのはどの料理にも言えること。
『料理の道は果てしなき深淵への道』とわたくしは考えていますの。
ねえ、あなた様?
わたくしを日本という国に連れてきていただき、本当に感謝致しますわ。
限界と思っていたわたくしの料理の腕が一段階も二段階も上がるのですから。
さあ、あなた様、皆さま、あなた様の家……いえ、わたくしたちの愛の巣に帰りましょう。




