第13話 生食に対する魔族の反応
レア視点
主殿!?
正気か!?
店の大将と言われた男が置いたものを見て、我は思わずそう思った。
当たり前であろう!?
生で食べる言う事は自分の腹を壊すことだ!
我は厠の住人になりたくはないぞ!?
とはいえ、主殿は思いっきりがっついている。
…安全なのか?
しかしここで日和るのは武人の矜持に悖る。
覚悟を決めるか。
「くっ、これも試練よ!!」
自分に言い聞かせるように気合を入れ、赤い切り身が乗ったものを口に放り込む。
ぬ!?溶ける…だと…!?
これは我も予想外だった。
まさか溶けるとは思わんぞ?
しかし、うまい。
「む、これは…なるほど。」
慌てるなど武人にあってはならぬ。
しかし、顔が緩むのが抑えられん。
赤い切り身の味の余韻を味わいつつ小さな宝玉が乗ったものを食す。
プチップチッと潰れる感触と我の口の中に広がる味。
これは楽しいな。
「これは…口の中が楽しいな、主殿。」父殿と母殿にも伝えねば。
「父殿、母殿、これは美味いぞ。」
うむ。
うまいものを食べたのであれば正直に褒めるべきである。
エビもプリプリしており、アワビというのもコリコリとして楽しいではないか。
やはり主殿についてきて正解であった。
エルシア視点
さすがにこれはダーリンを疑ったわ。
生で食べろと?
でもダーリン達がせっかく連れてきてくれたし…。
もういいや、どうとでもなれ!
ルナが食べたオレンジ色の切り身が乗ったものを食べる。
なにこれ。
これは、さすがに予想してなかったわ。
だって魚を切っただけよね?
切っただけでこんなにジューシーで美味しくなるものなの!?
「ダーリンの国の食事、正直舐めていたわ。なんなのよこのレベル…」
正直向こうであーしもそれなりにいいものは食べてきた自覚はある。
貴族を籠絡するときとか、権力者を落とすときとかにね。
でもこれ、この寿司というものはその枠よりさらに上位と言わざるを得ないわ。
さすがのあーしの語尾も乱れるわよ。
ほんとに。
で、無意識にダーリンのパパ上が勧めてくれたお酒を何も考えずに飲んでしまって固まっちゃったわ。
思いっきり鈍器でぶん殴られたような衝撃よ。
パパ様反則♡。
ダーリンいなかったらママ様から奪っちゃったかも♡。
ダーリンがお酒を飲めなくてグギギしているからあとで癒してあげなきゃ。
もちろんからかった後で、なんだけどね。
しかたないじゃない。
ダーリン可愛いんだもの♡
あーしの下腹部がキュンキュンしているしもうたまんないわ!!
でも今はまだ大人しくしておいてパパ様達の信頼を勝ち取らなきゃね。
舅、姑にいびられるのはまっぴらごめんよ。




