第124話 国際通りでのデート
第124話 国際通りでのデート
Akira視点
うーん。
やっぱり国際通りはいつ来ても目移りするものが多いなぁ。
毎回そうなんだけど何を買おうか本当に迷うんだよねぇ。
今回はミミガーとサーターアンダギーって決めてるから良いんだけど、何を買うか決めてない時は本当にどれにするかめちゃくちゃ悩むんだよ。
まあこれはどこの観光地に行った時でも有り得る話なんだけどさ。
最近は撮影で遠征する時はそこの御当地物とかは結構調べるようにしたんだよね。
それに付随して軽く歴史の勉強はしてるかな。
今回はシアちゃんと蒼魔くんと3人でデート。
まさか私まで蒼魔くんのファミリーに入るとは思わなかった。
うん。
だいたいシアちゃんのせい。
いや、いいんだよ。
私も蒼魔くんのこと気になってたし。
だけどまさか蒼魔くんのハーレム構成員になるなんてねぇ。
1対1の恋愛観だったはずなのになぁ。
どこで間違えたんだろう。
とりあえず今このことを悩んでも仕方ないし、私自身も幸せだから良しということにしよう。
一緒に暮らすのはまだ先の話とも聞いてるから、それを楽しみに待つことにするよ。
それで、シアちゃんと蒼魔くんは初めての沖縄ということで、私が案内してるってわけ。
そこまで詳しいわけじゃないけど人気のお店はリサーチ済みだよ。
まずはスタンダードにちんすこうかな。
これさ、味のバリエーションがすごいのよ。
紅芋や黒糖の他にもたくさんあるんだ。
だから詰め合わせとかも多いんだよ。
どうかな?
うん、シアちゃん気に入ったみたいだね。
だったらこっちの詰め合わせセットが良いよ。
色んな味が楽しめるから。
で、次がこのサーターアンダギーかな。
この店は揚げたてのサンプルが楽しめるんだ。
どうかな?
あー、こっちは蒼魔くんに刺さったかぁ。
「お酒を飲めないことがこんなにつらいとか…」
うわ、めっちゃ悔しそう。
あれ?
蒼魔くん高校生だよね?
なんでお酒の味、知ってるの?
シアちゃん?
説明して。
…え?
ここで話せない?
というかそんな真剣な顔、初めて見たんだけど?
うん、わかった。
帰ったら教えてね。
よし、気を取り直して次は紅芋のタルト!
この際おならは気にしない!!(笑)
「これは、ルナ向け…だな」
「そうだね、間違いなくルナママ向けだね」
二人には刺さらなかったけど、別の女性の名前が。
あ。
思い出した。
蒼魔くんの最初の彼女さんだ。
でもなんでママさん?
「あー、それは見たほうが早いわ。あの包容力は見ないと分からないよ」
いや、蒼魔くん?
ウンウン頷いてないでもう少し説明して!!
写真があるなら見せてほしいな。
…うん。
やばい。
見た目でママってわかる。
というか、蒼魔くんの彼女さん達、めっちゃレベル高くない?
私、この中に入るの気後れするんだけど!?
「だいじょーぶ。Akiraちゃんならみんな気にいるよ。実際会ってみたいとも言われたしね」
なにげに認められてるのは嬉しいけど、やっぱり気後れする。
「ほら、自信がないところが出てきてるよ。言ったじゃん。立ち居振る舞いに自身を持ってって」
そうだった。
私、元々高身長が少しコンプレックスで猫背気味だったんだよね。
だからスタイルは良いのに姿勢が悪いとよく言われてたんだった。
自信がないから余計に縮こまっちゃうという悪循環だったんだけどね。
あの日、シアちゃんと会わなかったらどうなってたんだろう。
ちょっとゾッとするね。
蒼魔視点
喧騒がものすごいね。
さすが沖縄最大の買い物スポットだ。
日差しも強いから、今日は日焼け止めをちゃんと塗ってきた!
あの日のジャグジーは本当に地獄だった。
まあその後お仕置きでエルシアを可愛がったんだけど。
お。
このガラス細工良いな。
確か琉球硝子だっけ?
うん。
江戸切子とはぜんぜん違うね。
しかもこれ、手作りか?
うーん。
どうしても鍛冶職人の目で見てしまうな。
きれいなんだけど…なんだろう。
コレジャナイ感が…。
色々見るけど、どれも痒いところに手が届かないもどかしさ。
参ったな。
レアたちに買っていこうと思ったんだけど納得できるものがない。
後ろできゃあきゃあ言っているエルシアたちを見て、まだ時間がかかりそうだし、あっちの店に行ってくると声をかけた。
「ほいほい。この店で楽しんでるから、ダーリンも楽しんできて」
「動かなきゃ迷子にならないから大丈夫。蒼魔くんも沖縄のもので良いものが見つかると良いね」
そう言って送り出してくれた。
Akiraさんもそうだけど、ホントできた彼女だよ。
目的の店に入ってみる。
観光客の人は少ない。
だけどこの年季の入った木と土の香りは歴史を感じさせる。
「いらっしゃ…」
…お前は、この前の取り巻きの一人か?
俺が凄んだやつだよな?
いや、そんな怯えんなよ。
お前がいるとか知らなかったんだから。
ただ、純粋にこの店が気になっただけだよ。
「そ、そうなんですか。ゆっくり見てってください。ここはうちのおばあの店なんです」
へぇ。
お前のばーちゃんのお店か。
うん。
いいじゃん。
もずくの佃煮の味見もできるんだな。
もらっていい?
…だからそんなに怯えなくても何もしないよ。
受け取ったサンプルを口に運ぶ。
うん。
これはうまい。
島らっきょうもいいの?
…シャリシャリした歯ごたえもまたいいし、酸味もいいじゃないか。
ゴーヤは少し苦手だけど、ちょっと期待できそうだ。
…お前のばーちゃんヤバくないか?
めっちゃうまいんだけど。
「へへ…自慢のおばあなんです」
その自慢のおばーちゃんは?
「奥で今休んでますよ。呼びますか?」
いや、休んでること、申し訳ないよ。
もう少し見せてもらうな。
うん。
この店、さっきの店よりレベルが高いな。
多分個人経営だから、そのへん尖ってるのかもな。
琉球硝子の箸置きとか明らかにマナを内包してるもん。
普通硝子ってマナの内包はできないんだけど、これも無意識の産物だろうなぁ。
よく見ると泡の中に含ませているのか。
…これ、ドワーフでもできない技術だぞ?
おいおいおい。
まじかよ。
絶対に買いじゃないか。
濃い青や淡い青、それに赤が混ざったグラデーションが良いな。
どれも違うからみんなに選んでもらおうかな。
親父たちにアメリカに持っていってもらうのも良いかも。
留守番が親父たちと彼女で6人とたかし、香織、ひよりの分も買って10個。
2個ずつ選べるようにしておけば喧嘩にもならないかな。
あと、たかしたちにはキーホルダーを買っていこう。
てか青がきれいだなぁ…
見ているだけで時間が過ぎそうだ。
おっと。
いけない。
職人モードになるとどうしても時間を忘れるからな。
この辺で止めておかなきゃ。
俺はチンピラ店員に声をかけて会計をお願いする。
「こ、こんなに買ってくれるんですか?」
まあ箸置き20個にキーホルダー3個、島らっきょうの漬物にもずくの佃煮2袋だもんなぁ。
「まあ、買っていくやつが多いからな」
「ありがとうございます。うちってどうしても人気店じゃないから客数が他の店より劣るんです。個人経営だから、広告出す余裕もないし…」
そっか。
なら、俺の彼女に紹介を頼んどいてやるよ。
多分バズるから期待しとけ。
「あはは、期待しないで待ってますね」
俺は会計を済ませて商品を受け取る。
「あ、後この前、俺の目を覚させてくれてありがとうございました。剛翼の末路が俺の未来だったかもしれないと思うと感謝しかないです」
「いや、あそこで目が覚めたから更生ができた。それでいいじゃないか」
「そうかも知れません。だけど、きっかけをくれたのはあなたです。方法は恐怖でしたが」
「まあ、そう言うなよ。自分を見直す機会にはなったんだろ?」
「ですね。警察のお世話にならずに住んだと思うとホッとしてます」
「なら、それが全てだよ。あとはばーちゃん孝行をしっかりやりな。俺にはもういないからそこは少し羨ましいよ」
俺は軽く礼を言ってその店を後にした。
今日も沖縄の日差しは強い。
だけど、自分の頭で考えて光を取り戻せた青年もまた眩しい。
淀んだ光は心を蝕む。
完全に闇に落ちる前に救えて本当に良かった。
さ、エルシアたちを迎えに行って、昼ごはん食べてホテルに帰ろうかな。
俺は待ち合わせをしているお店に足を向け、二人を探しに向かう。
今回の沖縄は来て本当に良かったな。
今度はみんなで来たいな。
沖縄の国際通りは社員旅行で行きましたが、時間があまり取れなかったので満喫できなかったんですよね。
それに個人で行くにしても費用が高くて(笑)
多分オフシーズンとかだったら少し安いのかな?
まあすぐに同行する気はないので、時間があれば叉行きたいですね。
続きます。




