第11話 お寿司を食べよう
蒼魔の父視点
俺の名は冷泉蒼一郎。
冷泉家第34代目当主だったりする。
息子である蒼魔にはこの事実は伝えてないんだがな。
聞かれてないし。
で、今俺は息子と妻、息子の恋人4人で愛車のアルファードで銀座に向かっている。
俺としては父親として懐が大きいことを示したいし、大洋の寿司を食べたくなったのもある。
しかし、息子の恋人たち、美人すぎんか?
普通に芸能人やモデルと言われても通じるぞ?
しかも4人ともベクトルが違う美人とか、蒼魔のやつ前世でどれだけ徳を積んだんだ。
まあいい。
息子の恋人たちも楽しそうだしな。
「親父、どこの店に行くんだ?」
「鮨処 大洋だ。運よく予約が取れたからな。それに自分が食べたいというのもある。問題あるか?」
「んにゃ。大洋ならいいよ」
「そうか。小さい頃から好きだもんな。大洋の寿司は」
「んだな。大将のトロ、マジで止まらんからな」
「蒼魔は大将のトロだけは目の色変えていたからな」
蒼魔は子供の頃から大将の寿司、好きだったからな。
断られることもないわな。
妻は息子の恋人たちと楽しそうに話しているな。
三人寄れば姦しいとはよく言ったもんで、後部座席は賑やかだ。
とにかく安全運転で向かうとしよう。
レア視点
主殿の父上が連れてきたところ。
それは人通りがまばらな裏通りの名店のような店であった。
魔都にもあったような知る人ぞ知る名店のようなものか。
父上と主殿のあとについて店に入ったのだが、まぁ、うん。
ひとことで言えば生臭い。
我ら吸血鬼は嗅覚が鋭いのでこの匂いはきつい。
思わずハンカチで鼻を覆う。
……これも試練と思えば少しはいけるか。
そのまま座敷という椅子のない部屋に通され、靴を脱ぐように言われたのだが、鼻を押さえたままだと脱ぎにくいことこの上ない。
ぬ、サン、助かった。
サンに礼を言うとどういたしましてと笑顔で返された。
うむ。
サンは我らの太陽だな。
座敷に上がり主殿から座り方を教わったのだが床に直で座るのか。
なるほど。
これは新鮮だ。
店の店員だろうか。
最近我がはまっている温かい緑茶を我の前に置いてくれたのでそのままいただいた。
はあ、落ち着くな。
生臭さにも慣れてきた。
さあ、父上殿、寿司なるもの楽しませていただこうか!
エルシア視点
なんとかダーリンの隣に座れたわね。
よかったわ。
あーしも最初は生臭く感じたんだけど慣れちゃえばなんてことないわね。
海の命の香りと思えばね。
レアはまだ慣れてないようだけど。
種族的には仕方ないわよねぇ。
とりあえずあーしたちじゃどんなものかわからないからダーリンにお任せしちゃおう。
えーっとウニ、大トロ、サーモン、真鯛、ブリ、甘海老、イクラ、アワビにホタテね。
よくわからないけど美味しければいいのよ。
さあ、どんなのが出てくるのかしら。
ワクワクするわね。
それにしてもレア、お茶にハマりすぎじゃない?
あんたの凛々しい顔、どこに行ったのよ?




