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第102話 晩酌(その2)

第102話 晩酌(その2)


ルナ視点

ふふふ。

皆様本当に美味しそうに食べていただけていますね。

ちょっとジャンクっぽいものばかりになってみましたが、気分は居酒屋ルナの女将ですわ。

お義父様が焼き鳥を赤い光で焼いて下さっていますので、わたくしもいただいてみましょう。

もぐ…もぐ…。

せせりというのは首の肉、でしたわね。

歯ごたえ良し!ですわ。

そしてビールに合いますわね。

結構誤解されがちなのですが、わたくし、ワインよりエールのほうが大好きですの。

晩餐会ではワインや果実酒がメインで正直困っていたのですが、あなた様と旅をするようになってエールというお酒を知ってからはもっぱらエール三昧ですわ。

もっとも、こっちの世界のビールのほうが断然美味しいのですが。

ラガーでしたっけ?

まあ難しいことはいいですわ。

わたくしは鶏皮の湯引きを一口つまみ、ちょっと多めの脂身をビールで流し込みます。

最っ高ですわね。

焼き鳥にも合う、中華にも合う、和食にも合う。

ビールはなんとオールマイティなお酒なのでしょう。

しかも料理にも使えるとか万能すぎやしませんか?

今日のビールは銀色の缶に黒文字で刻印されたもので、こっちの世界ではかなりメジャーとのこと。

その名に恥じぬ切れ味ですわね。

うずらの煮卵どんぐりを一口。

一口サイズの卵を一口で食べる。

王族としてはちょっとはしたないですが、もう元ですから関係ないですわね。

お義父様もお義母様も楽しそうですわね。

わたくしが作った和食も大絶賛をいただけましたし、今日のわたくしのノルマは達成ですわ。

今宵は結構皆様食べていらっしゃいますので、明日の朝食は軽めで良さそうですわね。

ご飯と冷奴とおみそ汁で十分ではないでしょうか。


ミカエル視点

わはー。

家族で飲むお酒ってこんなに楽しいんだね。

天使たちも上司である神様も基本こんなに集まって飲むことがないし、集まって飲んでいても結局は牽制し合うだけだから心から楽しめないんだよね。

ラミエルや、ラファエル、ウリエルたちと飲んでいるときは別にいいんだけど熾天使という立場も結構厄介で同じ天使でも気を使わせちゃうんだよね。

だからこういうフラットな関係の飲みの席って本当に気が楽なんだ。

ワインもうまいし、ルナさんのアテも最高にうまい。

蒼魔くんのお母さんの話では、ルナさんの料理は名店クラスの味を軽く超えているとのこと。

よくわからないけど三つ星以上の価値があるとはしゃいでいたけどなんのことだろう?

まあ、天界で食べられない物ばかりで美味しい物ばかりだし、ワインも最高に美味しい。

しかもこのワイン、蒼魔くん曰くかなり安いものなんだって。

安くてもこんだけ美味しいなんて最高かよって思うよ。

お父さんの話だと年代物はとんでもない価格がするらしいんだけど、正直私としては私が満足すればそれでいいんだよね。

いかに高額なもので、口に合わなきゃ無駄になるわけだし。

流石にテイスティングとかさせてもらえないでしょ。

しっかしこのもろきゅう美味しいなぁ。

エルシアさんも言っていたけど本当に止まらないよ。

あ、お父さん、ししゃもありがとです。

モグ…モグモグ…。

卵のプチプチもそうだけど、この焦げもいい感じに苦みが出ていいよね。

これは白ワインかな。

…うん。

ばっちり。

ルナさんはビールでしょ!!とか言っているけどさ。

合うのはわかるよ?

というか、ルナさん、先日テレビで見た酔いつぶれそうなサラリーマンのおっさんみたいな飲み方になっているよ?

いつものお上品さはどこいったの!?

なに?

蒼魔くん。

え…?

あれが出来上がったルナさんなの!?

普段と全く真逆じゃん!!

ルナさんに一体何飲ませたの!?


サン視点

エルシアお姉ちゃんがルナお姉ちゃんに濃いめのハイボール飲ませちゃった。

今日はこれでもうアテは出てこないね。

まあパパが焼き鳥を焼いてくれているからこれでも全然行けるんだけどね。

というかニラ玉美味しいなあ。

いい感じの塩加減だし少しお出汁も入れているのかな。

この部屋にはもういろんな匂いが充満しているから、何が入っているかなんて匂いじゃもうわからないよ。

お兄ちゃんは決まりごとでお酒が飲めないようだから我慢しているけど、ボクもさっき飲み間違えた梅酒だけで我慢している。

というか、ボク自身、あまりお酒を好まないんだよね。

いや、美味しいのはわかるよ?

だけど進んで飲もうとは思わないんだよね。

まあお兄ちゃんを含めた全員が飲んでいるときはボクも飲むけどさ。

獣人の村を出て、お兄ちゃんに無理矢理ついてきてここまで来たけど、本当に遠くまで来たもんだなぁと思うよ。

だって異世界だよ?

村にいる頃のボクにこんな未来が待っているなんて言っても鼻で笑っちゃうと思う。

それにお兄ちゃんがボクの村に来なかったら今でもあの村のことしか知らない世界で細々と生活していたんだと思うとゾッとするよ。

ボク自身が結構異端だったこともあって、淋しく暮らしていたんじゃないかな。

こればかりはボクの村を襲ってくれた山賊たちに感謝だね。

あの山賊の討伐がなければ、お兄ちゃんたちはボクたちが住む山に来なかったわけだし。

なつかしいなぁ。

もうあれから7年だよ。

向こうのお父さん、元気にしているかな。

あまり仲は良くなかったけど、兄がいるし、大丈夫かな?

お兄ちゃんが色々農業の仕方とかも教えてくれたから飢えることはないと思うけど。

てかみんな本当にお酒強いなぁ。

みんな楽しく飲んでいるからボクも楽しいんだけど、このあとの片付けを考えるとちょっとげんなりしそうだよ。


一人で飲むお酒もいいですが、やっぱり家族でワイワイ飲むお酒が楽しいですね。

晩酌の話はここで終わります。

次はレアたちのチャンネルの配信前の準備の話になります。

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