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不安な前日

「明日は、特捜局の人たちが来るからね。」

「はい。」

 仕事中、明日の連絡を行っていた。

 明日も平日だが、特捜局の斎藤(さいとう)中村(なかむら)が定期報告を聞きに訪問に来る日である。定期報告とは優子(ゆうこ)のことである。由紀江(ゆきえ)は保護観察、保護者としている立ち位置なので、その報告である。

 前日だからと言って優子は特にやることはないが、由紀江は簡単に作った報告書をまとめていた。仕事の合間にやっているので、何かと忙しそうである。

「由紀江さん。仕事手伝います。」

「ん?ああ、ありがと。でも、報告書に、会社への連絡に、うちで出す提案書に…。まあ、ちょっと頼めるのは今ないかな。」

「そうですか…。」

 優子は自分の仕事は終わらせていたので、特にやることがなかった。でも自分でも何か提案とかできたらいいなと思ってはいたのでそれについて考えることもしばしばあった。しかし、由紀江は以前何か事業でやらかした時に、少し奥手に安全な道を進むと決めたと言っていたので、その点、どこまでのことを提案していいのかもわからなかったので、優子は何もできずにいた。

「はあ、とりあえず、明日中の物は終わったかな。一応明日は臨時休業として…。あ、優子ちゃんはちゃんと出勤扱いになるから心配しないでね。えー、それと…。」

 由紀江はいろいろとやることも考えることもありそうだ。終業時間になり、あまり邪魔にならない方がいいと思い、優子は定時ですぐに帰った。

「お先失礼します。」

「はーい、お疲れ様。」

 優子はほんの少し、明日のことを気にかけていた。

 斎藤は味方には情が熱いが、それでもどこか大人の怖さがある。自分がこの場所でうまくやれていなかったら、由紀江と別れるということもあり得るのだろうかと思っていたのだ。

 そしてもともと一緒に暮らすものだったにもかかわらず、自分の勝手な思い込みで一人暮らしを始めてしまった。それが何らかのマイナス点となっているかもしれないと思うと怖かった。由紀江と離れたくない。ずっと一緒にいたい。優子はそう思って、少し不安になりながら家に帰った。

 誰もいない、由紀江がいない夜は不安がより募る。早く明日になって、この不安が解消されることを願った。


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