心地良い朝
カーテンの隙間から日の光がさしていた。
朝。今日は由紀江の方が先に目を覚ました。暑い。
ハッとすると、自分が優子の体を抱きしめていた。
(やばっ!)
と思ったが、感覚を落ち着かせると、自分の体にも優子の腕がまわされており、抱かれていた。
(これって…、抱き合って寝てた!!!???)
由紀江は動けなかった。動くと優子を起こしてしまうと思ったからだ。
密着している。どうりで暑いはずだ。由紀江は汗ばんでいた。しかしこの状況はとても心地の良い状況だった。優子の寝息が胸元にかかる。少しくすぐったい。
由紀江は暑くて汗は出てくるが、ずっとこうしていたいとも思った。そして、今、手を放してしまったが、片腕はまだ優子の体の下をまわっている。もう片腕で優子の後ろに手を伸ばせば、抱きしめられる。もう一度、今しばらく、優子のことを抱きしめていようか。今なら好きなだけ抱きしめることができる。そんな風にも考えた。
由紀江はもう、自分の欲望に任せて、優子の体に手をまわして抱きしめた。汗ばんで暑かったが、しばらくそのままでいた。
自分で気持ち悪いかなと思っていたが、我慢できず、優子の頭に顔を近づけて、匂いを嗅いだ。とてもいい匂いがした。柔らかで、甘い香り。人を落ち着かせるような匂い。心地良くしてくれる匂い。由紀江は自分のしてることが大人として結構やばいことをしていると自覚はあったが、バレなければいいだろうと無理やり開き直って、優子が起きるまで抱きしめ、嗅ぎ続けた。
「ん…。」
優子が起きた。優子はもぞもぞと動いて、由紀江の胸元に顔を押し付ける。
由紀江はそんな優子が愛おしすぎた。
(私の母性が爆発する!!)
母性もさることながら理性も爆発しそうだったが、由紀江は何とかこらえた。
そして優子がおもむろに起き上がった。寝起きのぼーっとした顔も、なんでこんなにかわいいのか。そう思うほどだった。
「由紀江さん…。おはようございます。」
「おはよう。優子ちゃん。」
由紀江も起き上がり、二人、上半身を起こした状態でベッドの上でいた。
優子は無意識なのか、由紀江の肩に顔を近づけて、スンスンと匂いを嗅いだ。
「え⁉」
由紀江は驚いた。
優子は寝ぼけた声で、
「いい匂いです…。」
と言いながら、どうも頭が全然回っていない様子だった。
しばらく二人はベッドの上でちょっと話しながら、くつろいだ。
だんだん二人とも脳が覚めてきて、ベッドから降り、優子用の布団を片づけて、洗面所に行き、いろいろと朝やることをやった後、朝ご飯を食べた。




